琥珀色の戯言

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アイアンマン2 ☆☆☆



映画『アイアンマン2』公式サイト

あらすじ: パワード・スーツ受け渡しの国家命令を拒否した科学者兼経営者のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)。ある日、トニーの前にウィップラッシュ(ミッキー・ローク)なるアイアンマンと互角のパワーを持つ敵が現れたことから、トニーは再びパワード・スーツに身を包みアイアンマンとして立ち上がる。

前作『アイアンマン』の感想はこちらです。


2010年10本目の劇場鑑賞作品。

6月19日、公開2週目の土曜日11時から上映の回、観客は30人くらいでした。

お気楽アメコミ系アクションとしては、相変わらず期待を裏切らない作品ではあると思うのですが、前作がけっこう好きだった僕にとっては、ちょっと物足りないところが多かったかも。
この映画のなかで、主人公トニー・スタークが、政府に対して、(アイアンマン・スーツは)「世界平和の民営化だ!」と啖呵を切る場面があり、映画のなかでの聴衆は、トニーに拍手喝采します。
でも、この映画のなかでのトニー・スタークの「不安定さ」を見せられていると、「まあ、真っ直ぐな正義漢」じゃない、「人間的なヒーロー」として魅力的ではあるんだけど、こんなヤツに「世界平和」を委託するのは、どう考えても危険だし、僕もパワード・スーツ召し上げに賛成だな……と思ってしまうんですよね。
フィクションの話なんだから、そんなふうにいちいち考える必要ないんだろうけど、アメリカ人は、これを観て、純粋にその「世界平和の民営化」に賛成できる人ばかりなのだろうか?

アイアンマン・スーツそのものも、そんなに強そうには見えないし、今回のライバルであるミッキー・ロークのスーツは、かなりチープな感じ。
あれが「アイアンマン・スーツと同等の性能」には、まったく見えないんてすけど……
少なくとも、仮面ライダーV3とライダーマンくらいの差を感じます。
前作に比べて、バトルもなんかこじんまりとまとまってしまっているし。
少なくとも、今回のアイアンマン・スーツの威力では、「局所戦で弱い相手を虐殺する」ためには使えそうだけど、「世界平和を維持する」「核兵器に替わる抑止力」になるとは思えない。

そして、僕にとっての最も残念だったのは、あの「ツンデレ秘書」ペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロー)さんが、前作に比べて、ものすごくパワーダウンしていることでした。
トニーに憎まれ口を叩く機会もなければ、献身的にサポートする場面もほとんどない。
完全に作り手の側が、新キャラのスカーレット・ヨハンソン寄りになってしまっているのが見えて、悲しかった。
いや、スカーレットさんも綺麗ですよ、ええ。でも、僕は『アイアンマン』ではペッパーさんを観るのが楽しみだし、レギュラー・キャラクターをもっと大事にしてほしかった。
マトリックス』の劣化コピーみたいなスカーレットさんのアクション見せられても、「ふーん」としか、ね……

けっして悪くはないアクション映画ですし、ロバート・ダウ二―Jr.の自信と胡散臭さあふれるトニー・スタークは魅力的です。アメリカでヒットするのもよくわかる。
ただ、「シリーズものであることのメリット」をあまり活かせていない作品だな、という気はします。

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