琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

【読書感想】刑務所なう。シーズン2 前歯が抜けたぜぇ。ワイルドだろぉ?の巻 ☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
ホリエモン30kg激ヤセ。でも日記は1.5倍増。実録マンガも大盛だよ。


堀江貴文さんの「獄中日記」シーズン2。
今回は、2012年の獄中での生活が記録されています。
紙の書籍と電子書籍Kindle版)があるのですが、僕はKindle版を購入。
個人的には、この本はKindle版をちょっと時間があるときに少しずつ読むのがオススメです。
基本的に「日記」なので、短時間でキリが良いところまで読めますし、紙だとかなり分厚くて持ち歩くのが大変なので。


内容としては、「シーズン1」の延長というか、堀江さんの獄中での生活と日々の思考が淡々と綴られていきます。
「シーズン1」の「収監の際のエピソード」のような劇的な場面はなく(前歯が抜けて、周囲に「親しみやすい」と言われたり、30kgもの大幅な減量に成功(?)したくらい)、刑務所のなかって、けっこう本を読んだり、映画を観たりできるんだなあ、とも感じます。
いやまあ、実際は、獄中からなので検閲があるため、「ほのめかし」しかできないような、他の収監者とのトラブルとか、不快なことは書けないのでしょうけど。
それにしても、「刑務所に入っていても、これほど日々世の中のことを考えることもできるのだなあ」と感心してしまいます。
堀江さんの場合は、メールマガジンなどで「発信」する手段があるというのが、大きなモチベーションになっているんでしょうね。
これを読んでいると、刑務所での生活というのは、「忍耐力」をつけるのには役立つ面はあっても、その人の性格や考え方を根本的に変えるようなものではないのだろうな、というのも理解できます。


とはいえ、

 刑務所で大変なことはルールを守ることであるが、一番大変なのは受刑者からの指摘である。狭い世界で毎日同じことをしているから、細かい人はどんどん重箱の隅を突いてくる。懲役の本質は「ほかの受刑者と狭い空間に閉じ込められること」、これに尽きる。シャバなら嫌な人とは付き合わなければいいだけなのだが、刑務所では嫌でも毎日顔を合わせることになる。しかし、ケンカはもちろん、口論すら懲罰対象である。だから、何を言われてもグッと我慢の子でなければならない。忍耐力がつく空間である。

などと言うのを読むと、実際はかなりキツイのだろうな、と。
どんなにイヤになっても、そこから逃げることはできないというのは、何よりも「苦痛」なはず。


この本のなかで、「いじめ問題」についての、堀江さんの見解が書かれています。

 いじめ問題の報道が続いている。皆、いじめは根絶できると思っているのだろうか? 人間社会にいじめは付きものだ。要はいじめを受け流したり、いじめから楽に逃げたり、自殺しないということができりゃ良いわけで、それなら可能だ。先ず、義務教育を根本から設計し直せばいい。狭いコミュニティのなかにずっと閉じ込められるのが、いじめから逃げられない原因となっているからだ。集団生活なんて学ばなくても人は生きていけるし、協調性ったって気の合わない奴と合わせようとしてもストレスの元になるだけである。これは、ネットもスマホもない時代、知識を学ぶために仕方なく作られた仕組みなのだ。今なら教育費補助の仕組みさえあれば、自由に民間企業に任せちゃえばよい。日替わりで色々なクラスで学べてもよいし、そもそも学校に通う必要もない。同じことは会社にも言える。終身雇用で縛り付けるからストレスで自殺したりするのだ。

堀江さんらしいな、と読みながら思っていたのですが、こういう考え方もありですよね。
「道徳教育による、いじめの克服は、何十年と(宗教的なものも含めれば、数千年)試みられてきたけれども、いじめの撲滅にはほど遠い。
そもそも、大人がいじめや差別をやっているのだから。
それならば、教育の世界に関しては「システムを変えること」によって、いじめが起こりにくい環境をつくるべきなのかもしれない。
それならば、いっそのこと、合わない人と無理に接触しなくても済むようにすればいい。
いまの先進国であれば、それは「やればできないことではない」のです。
それが、全体的にみて、子どもにプラスになるのかどうかはわかりませんが、絶対にマイナスになるとも限らない。
みんなが集団生活に馴染めるわけじゃないし、そこで生きていくのが難しい子どもは、「学校に通わなくても勉強できるようなシステム」あるいは「興味が似ている子どもどうしで集まれるようなシステム」のなかで成長できるようにすることも可能なはずです。
大人に関しては、「お金さえ貰えれば、終身雇用どころか、働きたくもない」人だって多いでしょう。
逆に「働くことが自分のアイデンティティ」だと考えている人も少なくないのですけど。
堀江さんは、それに関しては「ベーシックインカム」を推奨していて、要するに「働きたくない人間にも、最低限の生活は保証しよう。そして、やる気がある人には、それなりの見返りがある社会にしよう」と考えているようです。
生活保護を受けている他人のお金の使い方も気になる」日本社会にとっては、なかなかこういう発想が受け容れられるのは難しそうですが、「いじめ問題」については、たしかに「学校のなかで無くすことは難しいのだから、学校の枠から逃れやすいようなシステムをつくる」という発想は「アリ」だと思います。
いや、いまだって「逃げ道」はあるんだよね。でも、子どものプライドとか周囲の大人からの圧力とかいろいろあって、なかなかそれを選択できないんだよなあ。


ボリューム満点ですが、「刑務所の食事メニュー」「上映された映画」とかがけっこう多くを占めているので、「役に立つ」というものでもなさそうです。
でも、堀江さんのメルマガを登録するほどのファンじゃないけど、「なんだか気になる人、堀江貴文の近況」を知りたい人にとっては、ほどよい時間つぶしにはなると思います。

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