- 作者: 菅原佳己
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/11/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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内容紹介
あの人気番組「マツコの知らない世界」(TBS系)で紹介されて話題沸騰! 北海道新聞、読売新聞、熊本日日新聞から、「安住紳一郎の日曜天国」(TBSラジオ)、「大阪ほんわかテレビ」(読売テレビ)、「てゲてゲ」(鹿児島・南日本放送)はじめ、全国テレビ、ラジオ、週刊誌など、各メディアを席捲中の、大注目の1冊。
「見知らぬ食品との出逢いは人を幸せにします。だからこそ、地方のスーパーは楽園なのです。その地方の伝統や食を学ぶ最高の場なんです」。……幼少の頃からスーパー好きで、現在、当地スーパーに偏愛中の著者が、すべて自腹&すべて試食して買い集めた、珠玉の宝物BOOK。観光みやげガイドとして、帰省時や旅のお供に。見たことのない食材で、レパートリーを増やすお助け本として。眺めて楽しいパッケージの数々は、最高額1080円という安心プライスで、お子様にも安心して見せられます。また家計の食費として捻出できるため、無駄遣いにもなりません。
楽しく、安心、ご家族の健康に役立つ。ご当地スーパーの魅力と逸品を徹底解剖!
書店で見かけて購入。
全国各地の「ローカル定番食品」をスーパーで探し、集めたものなのですが、読んで(というか眺めて)いると、これだけネットやメディア、交通が発達しても、日本はまだまだ広くて、地域食がいろいろとあるのだなあ、とあらためて感心してしまいます。
出会い、買い、写真を撮り、調べ、最後は日々のおかずやおやつとして私が全部食べた、魅惑の全455品がこの本には詰まっています。
しかも、掲載商品は最高金額で1080円というスーパープライス。
いずれも超リーズナブルな価格なので、ご当地お土産カタログとしても活用していただけると思います。
全部、写真に加えて、価格が紹介されているんですよね、この本。
「けっこう高いな〜」とか、「これ、有名メーカーの全国版に比べたら、パッケージは地味だけど安いな」とか。
いかにも地元の常連さん向け、というような飾り気がない、あるいは「ゆるキャラ」風のパッケージデザインもまた、眺めていてけっこう楽しめるポイントなのです。
それにしても、著者が福岡で見つけたという「たらの胃」とか、まるでギーガーが描いたエイリアンみたいで、こんなの本当に地元民は食べているのか?と思うのですが(地元では「お盆のごちそうの定番」なのだとか)、こういうのって、地元の人からすると、「えっ?他の土地では、全然食べてないの?」なんて事例も、たくさんあるのでしょうね。
これだけ流通が発達した日本でも、やっぱり「地元で獲れるもの」というのは、スーパーの商品に大きな影響を与えているということに驚きました。
名古屋のスーパーには、こんなに多くの種類の「えびせん」があるのか!と。
(えびせんの原料となる「アカシャエビ」が豊富だから、なのだそうです)
これを眺めていると、広島、九州内各地を転々としてきた僕としては、「ええっ、これって『九州ローカル』だったの?」と、けっこう驚かされたんですよ。
あまりにもそこにあるのが当たり前で、すっかり「全国区」だと思っていたものが、少なからずありました。
『ヨーグルッペ』の項より。
九州全域で手に入る、九州人の心のドリンク。ヨーグルト特有の酸っぱさは控えめに、口当たりの良いまろやかな風味に仕上がっており、世代を越えて愛されています。昭和60年に発売。『ぺ』は親しみやすさを目的につけられたとのこと。
『ヨーグルッペ』って、九州ローカルだったのか……
『ブラックモンブラン』(白いラクトアイスにクランチ入りのチョコをコーティングしたもの)も、ローカルだとは知りつつも、むしろ、他の土地では売られていないことが信じられません。このあたりでは、コンビニにも置かれているし(もしかして、九州外でも、売られてる?)
小学生の頃、家でよく食べていた、ふりかけ『旅行の友』は、広島のローカルふりかけだったのだなあ……
僕がちょうどふりかけを「卒業」するくらいの時期に九州にやってきたので、「九州には無い」ことに気づかないまま、30年くらい生きてきてしまったことになります。
『旅行の友』、別に旅行先じゃなくても、けっこう美味しかったんですけどね……
この『旅行の友』については、こんなエピソードが紹介されています。
大正時代、海軍の保存食として開発され、いつしかこの地方の家庭の隅々にまで浸透。「これさえあれば!」とファンは言うが、実際、昭和20年代のキャッチコピーは「お惣菜の単一化」なんていう過激ぶり。かの戦艦大和に積まれた歴史を知ると、ふりかけと一緒に平和も噛みしめたくなります。
広島の呉には軍港がありました。
そういう地域の歴史が、地域の食べものには詰まっているのです。
いやほんと、「戦場の友」じゃなくて、ずっと「旅行の友」であっていただきたいものですね……
国内旅行に出かけたとき、あるいは、引越し先などで、この本を片手に、こういう「ローカル定番商品」を探すのは、けっこう楽しそうです。
ちなみに、著者がこの本の商品を買うのに使った総額、12万4776円。
なかなかリーズナブルな趣味なんじゃないかな。いきなり「たらの胃」が食卓に並んだら、逃走しそうだけど。
(ちなみに、「たらの胃」はこれです。この本に載っている写真より、ネットで検索した写真のほうが「おとなしい」感じですね)