年末恒例の企画、まずは映画篇。
2016年に僕が観た映画を振り返ります。
今年は24本観ました。
3年前から、37本、37本、30本ときて24本。
まあ、今年は2ヵ月間のお休みがあったので、致し方ないかな、と。
このくらいしか観ていないのに、ベストも何もないだろう、という感じではありますが、毎年恒例ということで、御容赦ください。
では、さっそくランキングの発表です。
第5位 聲の形
fujipon.hatenadiary.com
この映画を観ていると、そういう「自分のこれまでの人生やふるまい」を思い返さずにはいられなくなるんですよね、きっと。
「いじめ」「差別」という行為に対して、人生で全く無関係だった人は、たぶん、存在しない。
その一方で、「差別とかいじめというのは、一度関わってしまったら、『一生消えない罪』なのか?」とも考え込んでしまいます。
第4位 ハドソン川の奇跡
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もうちょっと、「感動してください!」「疑ってください!」っていうわかりやすい演出を加えることも可能だったと思うんですよ。
しかしながら、イーストウッド監督は、この映画では、「観客の感情をコントロールするような演出を極力減らし、実話である素材を活かす」ことに専心しているように思われます。
それこそが、この「奇跡」の本質を語るのに、もっとも劇的であることを信じて疑わなかったのでしょう。
第3位 この世界の片隅に
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僕は、この映画を「絶賛」できなかった。
でも、ものすごく心を揺さぶられました。
一人でも多くの人に、いま、観ておいていただきたい作品です。
第2位 シン・ゴジラ
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僕はいままで、『ゴジラ』シリーズって、あんまり面白いと思ったことがなくて、「日本が生んだ作品だからな」と「敬して遠ざける」的な付き合いをしてきました。
でも、この『シン・ゴジラ』を観て、最初の『ゴジラ』をもう一度観てみたくなったのです。
第1位 君の名は。
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僕はこの映画、すごく好きです。
こんなことはありえない、そう、絶対にありえない。
もしこんなことができたら、自分の大事な人を救えるのに、という人もたくさんいるはず。
ただ、東日本大震災や熊本の震災を(あくまでも「外部から」だけれど)経験してきた人間のひとりとしては、この物語がハッピーエンドで良かったなあ、と思わずにはいられないのです。
そして、こんなに直接的ではなくても、あの震災で亡くなった人たちも、いろんな形で、僕たちと「つながっている」のだと思うのです。やり直すことはできなくても、彼らの存在に思いを馳せることはできる。
彼らの営みを少しでも受け継ぐことはできる。
なんというか、「せめて、フィクションの中でだけでも、ハッピーエンドを迎える」ことによって、生き残った人間たちも、多少は「救われる」のかもしれません。
【総括】
今年は、後半に「面白かった作品」が固まってしまった感じです。
7月、8月はほとんど観られなかったのに。
で、なんというか、あまりにも、ありきたりなランキングになったことに、自分でもちょっとがっかりしておりますが、良くも悪くも僕は「普通」なんでしょうね。
あと、今年はアニメが強かった。『シン・ゴジラ』は特撮ですし、洋画は『ハドソン川の奇跡』ひとつだけでした。しかも、今年もイーストウッド!
今年の日本映画といえば、なんといっても『君の名は。』そして、『シン・ゴジラ』の話になってしまうのですが、『君の名は。』が素晴らしい作品だとしても、こんなにオカルト風味いっぱいなのに、こんなにみんなに受け入れられてしまうのか、という驚きもあるのです。
そして、この5作品は、すべて「喪失と再生の物語」でもあるのです。
東日本大震災から5年という月日が経ち、あの喪失と、そこからの再生が、物語になりはじめているのかもしれません。
とはいえ、本当の再生は、まだまだこれから、なんですけどね。
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