琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

スーパーマン・リターンズ ☆☆☆☆

http://wwws.warnerbros.co.jp/supermanreturns/

 前日『ユナイテッド93』を観ただけに、この「スーパーマン・リターンズ」の持っている「アメリカの善意」みたいなものに、余計ホロリとさせられてしまいました。本当に第1作の「スーパーマン」へのオマージュがたくさんあって、オープニングの映像とジョン・ウイリアムスの音楽には、ただひたすらニコニコするばかりでした。それにしても、昔も思ったような気がするけれど、「スーパーマン」のテーマ曲って、「スターウォーズ」のテーマ曲とかなり似てますよね、というか使いまわしてるよなあ。
 とくにスーパーマンが帰ってきた!という野球場のシーンには、僕も観客の一員として、立ち上がって拍手したい気分になりました。カッコよすぎるよスーパーマン。アメリカ映画って、こういう「大歓声」とか「大衆の善意」の表現が実に上手いです。
 そして、この映画を観てあらためて感じたのは、「スーパーマン」というのは、「アメリカの希望」の象徴なのだなあ、ということでした。あくまでも清く正しく爽やかなスーパーマン!その「あまりのクリーンさ」がなんとなく面白くないような気がしていたけれど、こうして18年ぶりにスクリーンに復活した姿を見ていると、やっぱり「ヒーロー」っていいなあ、と思います。いろんなヒーローがいるけれど、「あいつはスーパーマンだから」みたいに「一般名詞化」しているヒーローって、他にはいませんし。
 知恵も力もありそうなわりには自分のスタイルにこだわっていて効率が悪いこときわまりない謎の作戦しか立てないレックス・ルーサーとか、あんなにそっくりで帰ってきたタイミングも同じなのになぜかクラーク・ケントがスーパーマンと気づかない人々とか、まさに「スーパーマンの世界」ですよねこれは。
 それにしても、「スーパーマン」の難点は、あまりに彼の力が圧倒的すぎて、相手が普通の悪党では「壮絶なバトル」になりえないところなのかもしれないな、とこの作品を観ていて思いました。ほんとに強い、強すぎるスーパーマン。最後のほうは、「キン肉マン」の「火事場のクソ力」かと思うくらいにお約束を超越しまくりです。クリプトナイトに対しても弱いフリをしているだけで、本当は「弱点」なんて無いんじゃないのだろうか。さすがに第1作で僕たちを悶絶させた「地球逆回転スペシャル」は、近作では封印されていましたが。

 あまり難しいことを考えずに、ドキドキワクワクしたい人には、オススメの映画です。観ると元気が出ます。僕は昨日から1日中、スーパーマンのテーマが頭の中に鳴り響いています。「悪いことをすると、スーパーマンにやっつけられる」と思えば、悪事を働くのをためらう子供も減るかもしれない。それなら『デスノート』のキラ様のほうが強力そうですけど。
 しかし、「英雄がいない時代は不幸だが、英雄を必要とする時代は、もっと不幸だ」という有名な歴史学者の言葉があるのですけど、今、この時代のアメリカに「スーパーマン」が還ってきたというのは、現在が「不幸な時代」であることの裏返しなのかもしれませんね。
 あと、スーパーマンに自分の恋人が「略奪」されたら辛いだろうなあ、とも感じました。
 いくらなんでも、恋のライバルがスーパーマンじゃあ、どうしようもないですよね。

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