琥珀色の戯言

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愛しのローカルごはん旅 もう一杯! ☆☆☆


愛しのローカルごはん旅 もう一杯!

愛しのローカルごはん旅 もう一杯!

内容紹介
たかぎなおこの旅シリーズ、待望の最新刊! カツオの塩たたき、冷や汁、福島餃子に白くま、おやき…8県48のご当地グルメを堪のうしています。描き下ろし「台湾まんぷくツアー」も収録。

「大好き!」と意識しているわけでも、新刊の発売日を待ちかねているわけでもないのに、書店で新刊を見つけると、つい買ってしまう作家っていませんか?
 僕にとって、たかぎなおこさんって、そういう作家さんのひとりなのです。
 「大当たり!と感じることはないのだけれど、読んでいると、いつも心の波がスッと引いて、落ち着いた気持ちになれるという点では、東海林さだおさんと並ぶくらいに、信頼してます。

 この『愛しのローカルごはん旅』よりも、前に刊行されていた『ひとりたび○年生』のシリーズのほうが僕は好きなのですが、この『ごはん旅』のほうも、読んでいてすごくふんわりとした気分になるんですよね。
 たかぎさんの絵って、本当に不思議だなあ、と今回思ったのは、神奈川ローカルグルメの「ヨコスカネイビーバーガー」の絵を見たときでした。
 ここでは、「TSUNAMI」「YOKOSUKA SHELL」「ハニービー」という3つの店の「ネイビーバーガー」がひとつのコマのなかで比較されているのですが、正直、「具が並んでいる順番」と「パンについている胡麻の数」くらいしか違いがわからないのです。
 でもこれ、あとで紹介されている、この3つのネイビーバーガーも、たしかにそんな感じなんですよね。
 それでも、実際にイラストレーターとして絵を描くとしたら、こういうのって、もうちょっとデフォルメして、それぞれの「特徴」を出そうとするじゃないですか。
 ところが、たかぎさんは、「なるべく見たままを描こうとしている」のです。
 「違いがわからないよ……」と苦笑しながらも、こういう「誠実さ」に僕は惹かれてしまうのかな、とも思います。

 僕にとっては比較的身近な宮崎・鹿児島が紹介されていたり(たしかに「しろくま」美味しかった!)、震災前の福島の「ローカルごはん」が紹介されていたりもしますし、とにかく、読んでいて穏やかな気分になれる本です。
 「コミックエッセイ」としては、ボリュームもあるし、カラーページも多いし、「愛着」を感じる一冊。

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