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【読書感想】1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘訣 ☆☆☆

1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘訣 (フェニックスシリーズ)

1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘訣 (フェニックスシリーズ)

  • 作者: ケビン・クルーズ,Kevin Kruse,木村千里
  • 出版社/メーカー: パンローリング
  • 発売日: 2017/08/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Kindle版もあります。

1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘訣

1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘訣

内容(「BOOK」データベースより)
7人の億万長者、13人のオリンピック選手、29人のオールAの学生、そして239人の起業家。計288人への取材から導き出された、時間管理と生産性向上にまつわる15の秘訣を、本書ではより実践しやすい方式とともに紹介する。「ノートは手書きでとる」「メールは一度しか触らない」「ノーと言う」「日々のテーマを決める」など具体的ノウハウから、「最重要タスクの見極め方」「先延ばし癖を克服する極意」「桁外れの利益を得るための思考法」まで15の秘訣が、あなたの人生に輝きを取り戻してくれるだろう。


 Kindle unlimitedに入っていたので読みました。
 でも、読み始めて、ちょっと後悔したんですよね。


 著者は冒頭で、20年前の自分が、いかにワーカホリックで、まともな食事もせず、ダイエット・レッドブルをがぶ飲みしていたかを告白しています。いつも何かに追われていて、家族とも心がつながっていなかった、と。

 ありがたいことに、今ではまったくの別人だ。
 3人の子を持つシングルファーザーで、毎晩子どもたちの宿題を手伝い、たいていは夕飯までに帰宅して子どもたちと一緒に食卓を囲む。子どもたちの試合や大会、音楽の発表会はほとんど参観するし、まったく体育会系ではないものの、日頃から運動を欠かさず健康的な体重を維持している。さらに、時間をやりくりして、週2回は彼女と夜のデートを楽しんでいる。
 仕事に関しては、コンサルティング業を営み、年2冊の本を書き、世界中で講演し、様々な新規事業や商業不動産へ投資し、その投資を総括している。
 休暇もたくさん取る。去年は、単身でプエルトリコカンクン、ジャージーショアに行き、数回の週末をニューヨークで過ごした。娘の16歳の誕生日には娘を壮大な旅に連れ出し、バルセロナマドリッド牛追い祭りを見るためにパンプロナも回った。
 これだけのことをこなしながらも、ストレスが溜まる、時間に追われる、気が滅入る、罪悪感に苛まれるといったことは滅多にない。ここが重要なポイントだ。自分が「超多忙」だとは全然思わないし、周囲の人に「超多忙」だとひけらかす必要性もまったく感じない。
 嫌みな奴だと思うだろう?
 私の時間管理とストレスに変化が現れ始めたのは、成功している友人たちに時間管理法を尋ねるようになったからだった。
 すぐに気づいたのは、その友人たちが、古典的な時間管理の本で教えられているようなことを一切口にしなかったことだ。


 うわー、「自己啓発」臭い……
 僕は自己啓発本って苦手なので避けているのですが、こうして久々に読んでみると、「次はセミナー勧誘か、壺でも売りつけられるのか……」と心配になってきます。
 ある意味、「こういう成功者の語りは、いかにもアメリカっぽいな」とも思うんですけどね。
 書かれている文章が、僕の頭の中では、夜中の海外の通販番組の吹替えの声で再生されてしまうのです。
 この本で紹介されている時間管理術は、おそらくほとんどの読者にとっては、すべて活かす必要はないし、やろうとしても実行するのは難しいものだと思います。
 でも、読んでいて、「これは参考になりそう」だと感じたところも、少なからずありました。
 

「ToDoリストをやめる」という項より。

 ビル・ゲイツドナルド・トランプウォーレン・バフェットが、ToDoリストを長々と描いて、A1、A2、B1、B2、C1……などと優先順位をつけていると本気で思っているだろうか?
 スティーブ・ジョブズが常にToDoリストを用意し、一日に何回も「次は何だっけ?」と考えたりしただろうか?
 

 ToDoリストはむしろ、「消えることのないウィッシュリスト」と呼ぶべきだろう。クリアしたいタスクを書き連ねただけで、いつになったら全部終わるのか、という具体的な計画がない。ここ数日、あなたのToDoリストには、一体何件のタスクが居座っているだろうか。ここ数週間、あるいは1か月ではどうだろう?
 ToDoリストの第一の問題は、数分しかかからない項目と、1時間以上かかる項目が混在している点にある。そのため、ふとToDoリストを取り出し、「さて、次はどれを片づけるべきだろう」と考えると、たいていすぐ片づく項目、簡単な項目を選ぶことになる。しかしそれは、必ずしも最重要項目とは限らないのだ。

 大成功を収めた人々は、ToDoリストは作らないものの、スケジュールは厳格に管理している。私は本書を書くために様々な取材や調査を行ったが、そこから特に一貫して感じたのは、本当にやり遂げたいことがあるなら、きちんと予定を立てなくてはならないということだ。


■成功者たちの証言
「スケジュール表を使って、15分単位で一日の予定を組みなさい。面倒に聞こえるかもしれないが、これをやれば効率性に関しては95パーセンタイルに位置することができる。スケジュール表にないものは片づかない。スケジュール表に入っていれば嫌でも片づく。約束だけではなく、運動、電話、メールなどの予定も、この方法で管理するのだ」
        ——ジョーダン・ハービンジャー(アート・オブ・チャーム共同創業者)


 こうした理由から、超多忙な政治家や経営陣やセレブは、専任のスケジュール管理者を雇っている。また、成功している人々は「何か予定を入れる場合は双方の担当者を通してください」などと言う傾向がある。何を大げさなと思うかもしれないが、これもまた同じ理由によることなのだ。


 「いつかやらなければならないこと」のリストに入っているうちは、それはどんどん先送りされてしまいがちなんですね。ああ、これはすごくよくわかる。
 そのリストの一番上にあるものでさえ、日々の「今、やらなければならないこと」や「なんとなくやるのがめんどくさいという気分」に押し流されて、延期を繰り返してしまうのです。
 本当に「やらなければならないこと」ならば、ToDoではなくて、日々のスケジュール表に「何時から何時まではこれをやる」とはっきり組み込んでしまったほうが、確実に実行することができる。小さな違いのようだけれど、あらかじめ、「自分のスケジュールをしっかり組んでおく」っていうのは、すごく効果的みたいなんですよ。そうか、だから、偉い人や多忙な人は、秘書にスケジュールを管理してもらっているんだな。
 僕は秘書を雇うほど多忙でも重要人物でもありませんが、最近Googleでスケジュール管理をするようになって、だいぶ予定通りに動けるようになりました。スケジュール表をつくってみると「一日にできることって、このくらいのものなんだな」と、諦めがつくような気もします。
 「やりたい意欲」だけが空回りして、毎晩「今日もやりたいことの半分もできなかった……」と、ついつい夜更かししてしまうことが多いので。

■成功者たちの証言
「オリンピック選手である以上、参加できないおのや、断らなくてはならない場面、イベントはたくさんある。今ではもうほとんど、『ノー』と言わなくてはならないことに慣れた、と言える状態になりつつある」
        ——サラ・ヘンダーショット(ロンドン五輪のボート競技女子アメリカ代表)


 たとえ30分でも、電話や、お茶をしながらの打ち合わせを予定すれば、その分、他の何かが片づかないことになる。書こうと思っていた誌がいつになっても書けない。プログラムを修正できない。報告書を検証できない。顧客への折り返しの電話が翌日になってしまう。3キロのジョギングができない。めざましいアイデアは決して生まれない。
 すべての行為には、犠牲が伴うのだ。


「成功した人と大成功した人の違いは何か。大成功した人は、ほぼすべてのことに『ノー』と言う」
     ——ウォーレン・バフェット


 「ザ・自己啓発!」って感じの本ではあるんですよ。
 でも、少しでも興味を持ったり、そういう考え方もあるのか、と思った人にとっては、きっと役に立つところがある本だとも思います。
 

週40時間の自由をつくる 超時間術

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