- 作者: Q.B.B.,久住昌之,久住卓也
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/04/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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内容紹介
「孤独のグルメ」「食の軍師」「花のズボラ飯」原作者の久住昌之と、実弟でイラストレーターの久住卓也による漫画ユニット「Q.B.B.」、待望の新刊!
この漫画、渋い…渋すぎる! !
早く仕事を終えて、一杯ひっかけたい。あぁ、仕事帰りに酒を飲みながら大好きな古本と触れ合えたらどれだけ楽しいだろうか。でも、そんなの夢のまた夢…ではない。サラリーマンの願いを叶えてくれる屋台が、夜中になるとどこからともなく現れる。働きすぎの現代人にとってのオアシス――そう、それが「古本屋台」。
松本隆『風のくわるてつと』、李家正文『厠風土記』、海野十三『火星魔』など、古書好きにはたまらないチョイスの連続。本と酒を愛するひとりのサラリーマンもまた、古本屋台にどっぷり浸かっていく――。
文字通り、屋台で古本を売っているこの店は、オヤジが一人で切り盛りしている。珍本奇本が揃う、マニアにはたまらない店だ。<古本屋台のルール>
1 白波お湯割り一杯100円。おひとり様一杯限り。おかわりNG
2 ヘベレケの客に酒は出さない
3 騒がしい客には帰ってもらう。ウチは飲み屋じゃない、本屋だ。
……ルールはとにかく、オヤジ次第だ。
「この漫画、渋い…渋すぎる! ! 」とオビに書いてあるのですが、たしかに……
この本のタイトルをみて、(『深夜食堂』+『バーナード嬢曰く。』)÷2、っていうような、人情と古本の蘊蓄マンガなのかな、と思ったんですよ。
で、読み始めてみると、なんというか、シュールな日常系ギャグマンガに、古本の知識のエッセンスをふりかけたような感じでした。
登場人物たちは、みんな本が大好きみたいだけど、古本あんまり関係なくない?
いや、実際は出てくる本に関して、すごいこだわりと予備知識が背景にあるというのは伝わってくるのです。
でも、それをあえてアピールせずに、寸止めにして、わかる人にはわかってもらうスタイル、とでも言えばいいのか……
これを読んでいると、お酒を1杯だけ飲ませてくれる古本の屋台と、そこに集まってくる本好き、酒好きの人々、というシチュエーションだけで、こんないろんなパターンの話がつくれるのだな、と思うのです。
人生相談も謎の解決もなく、肩すかしみたいな終わり方をする話も多くて、そういえば、久住昌之さんって、デビューは『ガロ』で、この本の絵を描いている弟の久住卓也さんとも『ガロ』で連載していたことがあったんですね。
読みながら、「ああ、『ガロ』っぽい!」って。
桜玉吉さんの『読もう!コミックビーム』に近い読み心地、とでも言えばいいのだろうか。
たぶん、大部分の人は、そう言われてもよくわからないとは思うのだけれど。
久住昌之さん原作の『孤独のグルメ』をイメージして読むと、「あれ?」って感じになるよねこれは。
そして、1200円+税は、ちょっと割高な気もします。
ただ、読み味がサラッとしているだけに、本棚に置いて、年に1回くらい、気が向いたときに読み返してみる、という付き合い方ができる作品でもありますね。
この古本屋台を読みながら、僕もこういう店があったら通ってみたいなあ、と思いつつ、店主と一対一の古本屋とか、酒があっても、けっこう入りにくいよね、とも考えたのです。
そして、本がたくさんあるというのは嬉しいのだけれど、限られた数の本のなかから、「自分好みの一冊」を見つけるというのも、けっこう楽しそうだな、とも。
「浩宮様が最初に買った本」の話が出てくるのですが、なんだか皇室に親しみがわいてきました。
ああ、皇太子さまも、子どものころ、僕と同じような本を欲しがって、読んでいたのだなあ。って。
気になった方は、書店で少しめくってみてから買うことをおすすめします。
僕は好きだけど、好みが分かれる作品だと思うので。
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