砂漠を偵察中のアルテミス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)率いるエリート部隊は、突如発生した巨大な砂嵐に巻き込まれてしまう。突風と激しい稲光の中で気を失ったアルテミスが意識を取り戻すと、そこは世界の裏側にある異世界だった。
2021年、映画館での2作目です。
金曜日のレイトショーで観賞。2D日本語吹替版。
観客は50人くらいで、けっこう賑わっていたのです。
ニンテンドースイッチの『モンスターハンターライズ』も大ヒット中で、映画が公開されるタイミングも良かったのではないかと思います。
で、どんなストーリーになっているのか、と思いながら観はじめたのですが、モンスターハンターっぽい世界の映像が冒頭に流れたあと、国連のレンジャー部隊がいきなり登場。主役は、あのミラ・ジョヴォヴィッチさん!
ゾンビに襲われまくったあとは、モンスター狩りか……ミラさんもいろいろ大変ですね。なんだかちょっと『エクスペンダブルズ』を思い出すなあ。
『バイオハザード』シリーズに続く主演ですので、カプコン御用達女優、といったところでしょうか。でも、この流れで、どうやってモンスターが出てくるのだろう……
結局、かなり強引な展開で、『モンスターハンターっぽいビジュアルの世界』が繰り広げられることになるんですけどね。
正直、観ていると、「ああ、モンスター関連のシーンを増やすと、CGとかで制作費がかかるものなあ……」とか、「予算の関係で、登場人物をなるべく減らしたいのか……」とか、製作側の事情みたいなものが伝わってくる映画なんですよ。
せっかく、『モンスターハンター』っぽい世界にやってきているのに、ただでさえあまり長くない上映時間の半分くらいは、ミラ・ジョヴォィッチさんの仲間の受難を描く『エイリアン』みたいなシーンと、延々と続く、一対一での仲間割れ。いやもうそれいいから。どうせ仲良くなるんでしょ?こんなに仲間割ればっかりしていると『アベンジャーズ』を思い出すなあ。でもきっと、ストーリー云々よりも、予算の都合で、延々とこの一対一での格闘シーンが続いているのだろうな……
『モンスターハンター』らしくなるのは、けっこう終わりのほうになってから、なんですよ。その「らしい」シーンも、なんだか中途半端な感じだし。
ただ、そういう「自他ともに認めるB級映画感」は、今夜の僕には、けっこう楽しくもあったのです。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』という、庵野監督や昔の自分と「対峙」せざるを得ず、観終えると魂を持っていかれてそのまま椅子に沈んでしまいそうな映画を観たあとだと、「ああ、このくらいの『気楽に観られる映画』っていうのも悪くないな」って気分になるのです。
ストーリーは支離滅裂で何のために闘っているのかよくわからないのだけれど、『モンハン』で知っているモンスターたちが出てきて、「おお、リオレウス!やっぱり強そう!」と盛り上がれます。
それ、近代兵器の威力があまりにも過小評価されてない?とか、ミラさん不死身かよ!とか言いたいところもあるのですが、B級映画というのは、ツッコミどころもまた魅力ではあるのです。
とにかく、でっかいモンスターが出てきて、ゲームのハンターっぽいキャラが戦って、肉を焼けばいいんだろう?
悔しいが、その通り、なんだよなあ。
下手に説教がましい「テーマ」みたいなものを語ることもなく、予算節約が伝わってくるからこそ、でかいモンスターがインフレにならず、ちょっと嬉しくなってしまう。
「ちょっと一狩り」的な感覚で、「ちょっと1時間45分映画館へ」。
年に数回くらいしか映画館を訪れない、「心に残る、渾身の作品を観たい」というタイプの人は、「わざわざこれを映画館で観なくても……」だと思うんですよ。
でも、週末のちょっとした気分転換のためとか、ゲームの『モンスターハンター』好きの話のタネとしては、「ちょうどいいサイズ感の映画」でした。
ただ、ゲームの音楽は、もうちょっと使ってほしかったなあ。あのテーマ曲が流れるだけで、けっこう『モンスターハンター感』はアップするのに!
いろんな意味で、僕がいちばん楽しかったのは、本編上映後の「日本語吹替版キャスト紹介」だったのです。
あのやられるために出てきたようなキャラたちに、こんなに人気声優が贅沢に!あのゲーム好き有名人も!そして、あの曲もここでついに!(……というか、本編で使ってくれ……)
あまり期待せずに観に行くと、けっこう楽しめると思います。映画館の大画面で『モンハンライズ』をやってみたくなります。
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