琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

【映画感想】エターナルズ ☆☆☆

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ヒーローチームが不在となった地球で、人類の行動が新たな脅威を呼び起こしてしまう。そんな中、7,000年にもわたって宇宙的規模の脅威から人類を見守ってきたエターナルズと呼ばれる10人の守護者たちが、数千年の時を経て次々と姿を現す。散り散りになっていた彼らは、人類滅亡まで7日しかないと知って再結集する。

marvel.disney.co.jp


 2021年、映画館での14作目です。
 平日の夕方の回で、観客は10人くらいでした。
 日本語吹替版を鑑賞。
 以前は、「やっぱり俳優が喋っている声で聴かなきゃ!(意味がわからなくても)」と思っていたのですが、最近はわりとどっちでもいい、というか、観られる時間にやっている方でいいや、という感じになりました。
 実際、字幕版だと、活字好きの僕としては、文字を追うことにばかり集中してしまい、映像を堪能できない、というのもこの年齢になって受け入れることができるようになりましたし。

 それで、この『エターナルズ』なのですが、観終えての率直な感想は「つまらない、とは言わないけれど、他人に薦めようと思う映画でもないな」と。

 観ながら、なんかどこかで観たことがあるような雰囲気なんだよなあ……とずっと考えていたのですが、メンバーが出そろってみて、「あっ、『サイボーグ009』だ!」と気づきました。
 さまざまな人種、性的嗜好、特徴を持った『エターナルズ』の10人のキャラクターをみていると、それはそれで、「ポリコレに配慮しまくった、廉価版『アベンジャーズ』」っぽくもあります。
 あらためて考えてみれば、石ノ森章太郎先生は、けっこうマイノリティの哀しみを描いてきた人ですよね。

 身内でばかり闘っていて、敵が『モンスターハンター』の最初のほうのボスくらいの存在感しかない、とか、なんか「人類推し」みたいになっているけれど、人類の一員である僕にとっては、「宇宙レベルでみて、そんなに人類って特別なのかねえ……」とヒーローもの的御都合主義に、疑問を抱くところもありました。

 まあでも、こういう多メンバーのシリーズものの第一作って、どうしても「メンバー紹介メイン」みたいになってしまって、上映時間が長いわりにはストーリーは進まず、物足りない印象になりがちなんですよね。
 あの『ロード・オブ・ザ・リング』でさえも、キャラクターの再現度や背景の映像には感動したものの、「全然話は進んでいないな……」と思ったものなあ。

 『アベンジャーズ』の第一作とか、ほとんど仲間内でのケンカだったので、『エターナルズ』もそれを踏襲している、とも言えますが。

 また、世界観をこれまでの「マーベル・ヒーローズ」と少し重ねているのも、この作品をみていると、「じゃああの時お前たちはなんで何もしなかったんだ……」という感じになってしまうんですよ。いちおう、作中ではその理由も語られていますが、結局は『アベンジャーズ』の縮小再生産、なんだよなあ……

 「この場面のために、これだけのセット(あるいはCG)を作ったのか……」という、時代ごとの雰囲気はけっこう楽しいし、なんのかんの言っても、2時間半の作中で3回くらいしか時間が気にならなかったので、そんなに悪い映画ではないとは思うのです。
 久々に、「お金を壮大にムダにしている映画」を観るのは、けっこう爽快ではありました。

 でも正直、そろそろ終わってくれないかなあ、というか、盛り上がるポイントがないし、なぜそんなことができるのかよくわからないシーンばかりなんですよね……『エターナルズ』の面々に全く予備知識や思い入れがない、というのも大きいのかな。

 監督のクロエ・ジャオさんは『ノマドランド』でアカデミー賞の作品賞・監督賞を受賞しています。

fujipon.hatenadiary.com


 あの映画を撮った人が、マーベル・ヒーローズの監督をやったというのにはちょっと驚いたのですが、確かに「あの映画の監督さんらしいヒーロー映画」になっているというか、ヒーローもので、ポリコレ的に正しい映画をつくろうと、きちんと気配りをしたら、爽快感に乏しい、なんだか味気ない映画ができてしまった。
 この映画での、アンジェリーナ・ジョリーさんの起用法は上手いな、と感心したんですけど。

 まあ、「豪華で長くてちょっとややこしくて笑えない『マイティ・ソー』」みたいな映画です。


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