- 作者: 伊藤理佐
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/09/02
- メディア: 文庫
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- 作者: 伊藤理佐
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「自分」て…
「私」って…なに?
このように「自分探しの旅が始まっちゃったら、
アメリカにいくより
インドいって悩むより
山で滝にあたるより駅前の「銀行」へお金をかりにいってみましょう
「家を建てる」って、「家を建てられるくらいの力がある、自分という存在」を再確認するという意味があるのかもしれません。
そういえば、内田春菊さんも「家を建てる話」を漫画にされていましたよね。
これを、読みながら現在一人暮らし、30歳女性・漫画家(+エッセイスト)の伊藤理佐さんに「一戸建て」が必要なのか?と僕は思っていたんですよ。でも、僕が先日マンションを「買っちまった」ときのことを思い出してみると、人がこういう大きな買い物を「本当に必要に迫られて」することって、けっこう少ないのかもしれません。勢いというか「いつの間にか引くに引けなくなっている」というか。これを読んでいると、伊藤さんの場合は、それまでに住んでおられたマンションも4〜5000万円くらいの価値があったみたいなので、金銭的にはそんなに無謀なことではなさそうなんですけどね。漫画家ってけっこう儲かるんだなあ、とか、ちょっとやっかんてみたりして。
僕自身は「マンションを買う」に際して、照明とかドアの色とかコンセントの位置とか、いろんな細かいことを決めなければならないのがめんどくさくてしょうがないんですよ。しかしながら、「一戸建てを建てる」というのは、「マンションを買って微調整する」のとは全く違う次元のめんどくさいことがたくさんあるんだなあ、と、これを読んで驚いてしまいました。地鎮祭に始まり、工事をしてくれている人への気配りとか、キッチンやトイレを選ぶこととか。そういえば、先日某大手電器メーカーのショールームに行ったのですけど、その「照明とかキッチンとかトイレとかが並んでいるだけの空間」に、本当にたくさんの人が来て賑わっているということに驚いたんですよね。世間には、「家を建てたい人」「家を建てる人」というのは、本当にたくさんいるみたいです。そして、その「家を建てる人々」は、みんな楽しそうにキッチンとかトイレとかを吟味しているように見えました。「一国一城の主」なんて言いますが、確かに、そういう気分なのでしょう。「全部自分で決められる」というのは、負担でもあり、喜びでもあり。
まあ、僕が聞いた話では、一戸建てっていうのはできたらできたで御近所付き合いなどの必要性も生じてきて、御近所から、「あそこの家は、日中夫婦がほとんど家にいない」なんて陰口叩かれていたりもするみたいなので、僕は一戸建ては今のところ欲しいとは思わないんですけどね。まだ買ったマンションも完成していないので当たり前か……
- 作者: 内田春菊
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2004/05
- メディア: コミック
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