琥珀色の戯言

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名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー) ☆☆☆


あらすじ: 高さ635メートルを誇るベルツリータワーのオープニングセレモニーに出席し、東京を見渡せる展望台からの景色に胸を躍らせるコナンたち。そんな中、一発の弾丸が強固なガラス窓を貫通し男性の胸を撃ち抜く。騒然とする状況下で、コナンと女子高生探偵・世良真純はFBIを巻き込む形でスナイパーを追い掛けるものの、すんでのところで逃げられてしまう。警察、FBI、コナン、世良が調べを進めていく過程で、海軍特殊部隊ネイビーシールズと事件の関連が浮上。さらに謎めいた大学院生・沖矢昴の暗躍も……。


参考リンク:映画『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』公式サイト


2014年15本目の劇場での鑑賞作品。
ゴールデンウィーク前半の日曜日の昼下がりの回で、観客は僕と5歳の息子も含め、200人くらいでした。ほぼ満席。
ふだんは平日のレイトショーを愛用しているので、周りに人が多いと、途中でトイレに行きたくなったらどうしよう、などと、ちょっと緊張してしまいます。


うちの息子、『名探偵コナン』大好きなんですよね。
今回の映画も、「絶対に行く!」と愉しみにしていて。
しかしながら、父親の僕は、『名探偵コナン』って、「なんかすごく推理上手の子どもが、事件を解決する話だよね」というくらいの予備知識しかなかったのです。
観に行く前に、Wikipediaで調べましたよ。とりあえず何もわからずに観ると、つまんないだろうな、と思って。


で、この『名探偵コナン』というのは、1話完結の推理ドラマと、物語全体を通じて「敵の黒幕」やら「小さくなる薬の秘密」やらといった謎が少しずつ明らかになっていくということまでは理解できたのですが、正直「なんだこの綾波レイの声の人がやっている、クールな子どもは……コナンの仲間、なの?」とか、「このアニメに出てくる女の人たちって、みんな鼻が高くて(というか、尖ってて)、やたら足が長くてスタイルいいなあ」とか思いつつ、けっこうディテールで「?」を連発しながら観ました。


でも、そんな40過ぎの、予備知識ほとんど無しの僕にも、とりあえずけっこう愉しめましたよ、これ。
アクションシーンは「そんなことできるか!」って感じなんですけど、だからこそアニメらしい面白さがありますし。
ただ、今回の映画は(ネットでの評判によると)、謎解きとしては、いまひとつだったみたいです。
あのサイコロの意味とか、5歳の息子にはいまひとつよくわからなかったみたいだし、大人の僕にも、「まわりくどいだけで、犯人側の自己満足だろ……」としか思えませんでした。
真犯人が、登場シーンで、あまりにも犯人っぽい言動をみせていたので、かえって「あっ、こいつを真犯人だと観客に疑わせる囮だな」と思ってしまいましたし。
ミステリとしては、「あまりにも強引すぎるところ」と「ストレートすぎるところ」があったのですが、それこそ、40過ぎのミステリおっさんをターゲットにした映画じゃないでしょうしね。
息子は「前作のほうが面白かったけれど、これはこれで満足」という感想だったようです(要約)。


今回、はじめて映画版を観て、この『名探偵コナン』シリーズの強さというのは、「子どもも大人も愉しめる」ということが大きいのだろうな、と思いました。
世の中の多くの大人にとって「子どもが観たい映画に付き合う」のは、けっこう辛いようです。
(僕は『ドラえもん』とか、子どものおかげで堂々と映画館で観られるようになって嬉しいくらいなんですが)
ところが、『名探偵コナン』だと、親も愉しめる。
これは、親としては、非常にありがたい。


それにしても、こうしてひとつ観てみると、「大きな謎」のほうも気になってきて、最初から読んでみようかな、とも思うようになりました。
たぶん、僕は息子の半分くらいしか、『コナン』を愉しめていないみたいなので。
これだけ連載も映画も長く続いていると、実は「親のほうが愉しみにしている」っていう親子も多いのだろうなあ。
身を乗り出してみている親も、けっこうたくさんいましたしね。

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