年末恒例の企画、2019年に観た映画のベスト5です。
今年は25本観ました。
3年前から、24本、33本、33本、そして今年は25本。
ちょっと減ってしまいましたし、24本しか観ていないのに「ベスト」を語るのはおこがましくもありますが。
では、さっそくランキングの発表です。
第5位 蜜蜂と遠雷
fujipon.hatenadiary.com
4位までの作品は、けっこうすぐに決まったのですが、5位はちょっと悩みました。
「キャラクター」を描く映画としては物足りないかもしれませんが、「音楽」を聴かせる映画としては、けっこう良い作品だと思います。
第4位 グリーンブック
- 出版社/メーカー: ギャガ
- 発売日: 2019/10/02
- メディア: Blu-ray
現実に大部分の黒人に南部で行われていた差別に比べたら、「綺麗すぎる人種差別映画」なのでしょうけど、この「綺麗な差別」みたいなものは、人種問題に限らず、現代にも受け継がれている、とも感じるんですよ。むしろ、より現代的な問題でもあります。
第3位 アベンジャーズ/エンドゲーム
アベンジャーズ/エンドゲーム MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2019/09/04
- メディア: Blu-ray
あれこれ、理解しにくいところ、納得できないところはあるのですが、この壮大な物語と、スーパーヒーローたちの「選択」を観ると、なんだかしんみりしてしまって、細かいことをあれこれ言うのも不粋だな、と思えてきます。
なんのかんの言いながらも、僕はワガママでケンカばかりしている、アベンジャーズの面々がけっこう好きだったのです。
このお祭りが、こんな静かな幕引きでよかったのだろうか、というのと、むしろ、これでいいのだ、彼らは「人間的」であったからこそ、多くの観客に愛されていたのだ、というのと。
マーベルのヒーロー映画はまだまだ続くようなのですが、「この後」の作品には、正直、思い入れが2ランクくらい低下しそうな気がします。
第2位 ジョーカー
fujipon.hatenadiary.com
この映画で語られているアーサー・フレックの物語を辿っていくと、「彼はここで間違ってしまった」という分岐点が見いだせないから。
その場その場で、「こうするしかないだろうな」という選択をしているにもかかわらず、何もかもがうまくいかない。
バッドエンドしかない一本道RPGみたいなものなんだよなあ。
むしろ、「妄想かも」という逃げ道が用意されているから、エンターテインメントとして踏みとどまれているような気がします。
暴動が起こらない国というのは、いまの僕にとっては平和だし、暮らしやすい。
でも、「真面目に働いても、給料が安くて生活できない」とつぶやくと、「それはあなたがその仕事を選んだからだ。自己責任だ」というレスが(たぶん、同じような立場である人からの反応も含めて)山ほど返ってくる社会と、「格差社会と身を挺して闘おうとする若者たち」がいる社会とは、どちらが「マシ」なのだろうか。
第1位 天気の子
- アーティスト:RADWIMPS
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2019/11/27
- メディア: CD
『ジョーカー』と、どちらを1位にするか悩んだのですが、こちらのほうが「観終えてスッキリした」ので、1位にしてしまいました。いやほんと、どちらも「現代の問題」を描いた映画ではあるのだけれども。
新海誠監督は「世界なんて滅んでもいい」と思っているわけではないはずです。
「そんなことをしたら、みんなが迷惑だろ!」とプレッシャーをかけて、他人を操ろうとする力(あるいは「空気」と呼ばれるもの)に対して、「世界なんてどうなっても知るか!」「『世間』というのは、『あなた』でしょう?」と太宰治風に抵抗してもいいんだ、とは伝えたいのではなかろうか。
いまの世の中では、そういう「自己犠牲を強いる力」が強すぎるから。
そこに、敢然と「NO」を叩きつけた、新海監督はすごい。
しかも、あの『君の名は』で「ヒットメーカー」として期待され、プレッシャーがかかるなかで。
僕は観終えて、「ざまみろ!世の中」という気分になりました。「物語」には、このくらいの自由があっても、良いじゃないか。
【総括】
2019年は、そんなにたくさん観わけでもないのですが、『トイ・ストーリー4』にしても、「これまでの映画的な『お約束』を、あえて乗り越えてみせた作品」が目立ったと思います。
それに対して、「スッキリした」と思うか、「なんかモヤモヤする」と感じるかは人それぞれ、ではあるのでしょうけど、『天気の子』にしても、『ジョーカー』にしても、「フィクションが、現実の世界を生きている人の思考や行動に影響を与えていく」ような作品なんですよね。
『ジョーカー』に関しては、「周りにとっては困る影響」が危惧されていました。
でも、もしかしたら、『天気の子』のほうが、「危険な映画」なのかもしれない、と僕は思います。
いろんな意味で、インパクトが強かったのは、『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』かな。
同じ監督の『ルパン三世 THE FIRST』は、それなりに観られる映画だったのに……
あと、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を2019年中に観られなかったのは残念!
それでは皆様、よいお年を!
トイ・ストーリー4 MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2019/11/02
- メディア: Blu-ray
- 作者:
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2010/03/04
- メディア: Video Game