琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

『琥珀色の戯言』が選ぶ、2019年の映画ベスト5


年末恒例の企画、2019年に観た映画のベスト5です。


今年は25本観ました。
3年前から、24本、33本、33本、そして今年は25本。
ちょっと減ってしまいましたし、24本しか観ていないのに「ベスト」を語るのはおこがましくもありますが。


では、さっそくランキングの発表です。


第5位 蜜蜂と遠雷
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4位までの作品は、けっこうすぐに決まったのですが、5位はちょっと悩みました。
「キャラクター」を描く映画としては物足りないかもしれませんが、「音楽」を聴かせる映画としては、けっこう良い作品だと思います。



第4位 グリーンブック

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 現実に大部分の黒人に南部で行われていた差別に比べたら、「綺麗すぎる人種差別映画」なのでしょうけど、この「綺麗な差別」みたいなものは、人種問題に限らず、現代にも受け継がれている、とも感じるんですよ。むしろ、より現代的な問題でもあります。



第3位 アベンジャーズ/エンドゲーム

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あれこれ、理解しにくいところ、納得できないところはあるのですが、この壮大な物語と、スーパーヒーローたちの「選択」を観ると、なんだかしんみりしてしまって、細かいことをあれこれ言うのも不粋だな、と思えてきます。
 なんのかんの言いながらも、僕はワガママでケンカばかりしている、アベンジャーズの面々がけっこう好きだったのです。
 このお祭りが、こんな静かな幕引きでよかったのだろうか、というのと、むしろ、これでいいのだ、彼らは「人間的」であったからこそ、多くの観客に愛されていたのだ、というのと。
 マーベルのヒーロー映画はまだまだ続くようなのですが、「この後」の作品には、正直、思い入れが2ランクくらい低下しそうな気がします。



第2位 ジョーカー
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 この映画で語られているアーサー・フレックの物語を辿っていくと、「彼はここで間違ってしまった」という分岐点が見いだせないから。
 その場その場で、「こうするしかないだろうな」という選択をしているにもかかわらず、何もかもがうまくいかない。
 バッドエンドしかない一本道RPGみたいなものなんだよなあ。
 むしろ、「妄想かも」という逃げ道が用意されているから、エンターテインメントとして踏みとどまれているような気がします。

暴動が起こらない国というのは、いまの僕にとっては平和だし、暮らしやすい。
でも、「真面目に働いても、給料が安くて生活できない」とつぶやくと、「それはあなたがその仕事を選んだからだ。自己責任だ」というレスが(たぶん、同じような立場である人からの反応も含めて)山ほど返ってくる社会と、「格差社会と身を挺して闘おうとする若者たち」がいる社会とは、どちらが「マシ」なのだろうか。



第1位 天気の子

天気の子 complete version (通常盤)

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『ジョーカー』と、どちらを1位にするか悩んだのですが、こちらのほうが「観終えてスッキリした」ので、1位にしてしまいました。いやほんと、どちらも「現代の問題」を描いた映画ではあるのだけれども。

 新海誠監督は「世界なんて滅んでもいい」と思っているわけではないはずです。
 「そんなことをしたら、みんなが迷惑だろ!」とプレッシャーをかけて、他人を操ろうとする力(あるいは「空気」と呼ばれるもの)に対して、「世界なんてどうなっても知るか!」「『世間』というのは、『あなた』でしょう?」と太宰治風に抵抗してもいいんだ、とは伝えたいのではなかろうか。
 いまの世の中では、そういう「自己犠牲を強いる力」が強すぎるから。

 そこに、敢然と「NO」を叩きつけた、新海監督はすごい。
しかも、あの『君の名は』で「ヒットメーカー」として期待され、プレッシャーがかかるなかで。

 僕は観終えて、「ざまみろ!世の中」という気分になりました。「物語」には、このくらいの自由があっても、良いじゃないか。


【総括】
 2019年は、そんなにたくさん観わけでもないのですが、『トイ・ストーリー4』にしても、「これまでの映画的な『お約束』を、あえて乗り越えてみせた作品」が目立ったと思います。
 それに対して、「スッキリした」と思うか、「なんかモヤモヤする」と感じるかは人それぞれ、ではあるのでしょうけど、『天気の子』にしても、『ジョーカー』にしても、「フィクションが、現実の世界を生きている人の思考や行動に影響を与えていく」ような作品なんですよね。
 『ジョーカー』に関しては、「周りにとっては困る影響」が危惧されていました。
 でも、もしかしたら、『天気の子』のほうが、「危険な映画」なのかもしれない、と僕は思います。
 いろんな意味で、インパクトが強かったのは、『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』かな。
 同じ監督の『ルパン三世 THE FIRST』は、それなりに観られる映画だったのに……
 あと、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を2019年中に観られなかったのは残念!


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それでは皆様、よいお年を!


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アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストV 天空の花嫁

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