琥珀色の戯言

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「自分の声が大嫌いだった」人気アーティストの話

 一昨日の日曜日の夕方、車でラジオを聴いていたら、福山雅治さんが、こんな話をしていた。
(正確に覚えてはいないので、「だいたいこんな話だった」ということで読んでいただければ)


(ある雑誌の「男がなりたい男の顔」で、3年連続1位になった、という話のあとで)

 いや〜でも、人から「良い」って言われるところって、自分ではけっこうコンプレックスだったりすることもあるんですよ。
 僕は自分の「声」が、すごく嫌いだったんです。


 でも、この世界に入って、まわりから「いい声だね」って言ってもらえて、だんだん自信がついてきて……
 ほんと、人間って、自分のイヤなところが、他人からは評価されたりするものなんだな、って。

 僕にとっては、いや、世の中の男の多くが、「福山雅治みたいなカッコいい声だったら、もっとモテるのになあ」(もちろん、声だけじゃダメでしょうけど)と憧れているにもかかわらず、本人は、その「個性」にコンプレックスを抱いていたのです。
 そういえば、谷村有美さんも、「若い頃は、自分の声が『変』だというのがコンプレックスだった」と、著書に書いておられました。
 「クリスタルボイス」なんて言われた彼女の特徴的な声は、アーティストとしては大きな武器になったのですが。


 まあ、中高生くらいのときって、「他人と違う」というだけでも何かとコンプレックスを感じたりはするものです。
 それが、他人からみると、「うらやましいなあ」と思うような「特長」であっても。
 「背が高いねえ」といつも言われるのがコンプレックスな男もいるし、胸が大きいのがコンプレックスになっている女もいる。


 身体的な特徴だけではなくて、「お酒が飲めない」ことがコンプレックスになっている人だっているし、「子供がいない」ことがコンプレックスになっている人もいる。
 「飲める人」「子供がいる人」のなかには、「それが当たり前のこと」だと考えている人が少なからずいるので、彼らは、「なんで飲めないの?」「子供はいないの?」なんていう問いかけを、何度も繰り返されることになります。


 「そんなことにコンプレックスを感じるのはおかしい」なんていうのは、あくまでも「自分基準」でしかありません。
 世の中には、いろんなコンプレックスがある。
 その一方で、自分がコンプレックスに感じていることこそが、「他人とは違う、自分の個性」だったり、「武器」になったりすることも少なくない、ということは、知っておいても良いんじゃないかな。


ところで、僕が「コンプレックス」について考えるとき、いつも以下の話を思い出します。

「英雄」ナポレオンは、性器が小さかったことが知られています。
 彼の主治医は「一物は小児の域を出ない」と記録に残しています。
 1969年に美術品のオークションで有名なクリスティーズ社が『ナポレオン』のペニスを競売にかけた時にも、乾燥していることを差し引いてもかなりの小ささだったそうです(3cmくらいだったそうです)
 妻のジョセフィーヌが「彼のペニスは少年なみ」と愚痴っていたという話も伝わっています。

もちろん、本人は何も言い残してはいませんが、僕は「ナポレオンの征服欲っていうのは、このコンプレックスが影響していたんじゃないかな」なんて、つい想像してしまうのです。
「男子」っていうのは、そういうのが、すごく気になってしまう生き物だから。

しかし、もしそうなのだとしたら、こうして「歴史的な人物」になったおかげで、後世までそれが、こんな話のネタとして語り継がれているというのは、なんとも皮肉なことではありますね。

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