琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

アイアンマン3 ☆☆☆☆



あらすじ: スーパーヒーローで編成された部隊アベンジャーズの一員として戦い、地球と人類を滅亡の危機から救ったアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)。だが、アメリカ政府はスーパーヒーローが国の防衛を担うことを危険視するようになり、それを契機に彼はアイアンマンの新型スーツを開発することに没頭していく。そんな中、正体不明の敵によってスターク邸が破壊され、これまでのアイアンマンが全て爆破されてしまう。何もかも失ったスタークだが、人並み外れた頭脳を武器に孤独な戦いに挑む。

参考リンク:映画『アイアンマン3』公式サイト


2013年11本目。
ゴールデンウイーク期間中の平日・火曜日のレイトショーで鑑賞しました。
観客は40人くらい。ゴールデンウイーク中ということを考えても、なかなかの入りでした。
アイアンマン2』のときは、公開されてすぐの時期に観に行ったのだけれど、観客が少なくて「やっぱり日本ではアメコミ映画はダメなのかなあ」と思ったんですよね。
アベンジャーズ』の大ヒットなどで、『アイアンマン』の認知度もかなり上がったのではないでしょうか。
そもそも、『アベンジャーズ』の戦力の7〜8割くらいはアイアンマンって感じだったものなあ。


今回は、まあ、なんというか「やりすぎアイアンマン!」です。
ネタバレになっちゃうので詳細は書きませんが、クライマックスの「これでもかっ!」とばかりに物量で畳み掛けてくる感じは、観ていて思わずニヤニヤしてしまいました。
しかし、『アベンジャーズ』の後となると、個々のヒーローの単独主演作品での敵の設定は難しくなりますよね、やっぱり。
正直、この『アイアンマン3』の敵は、何をしたいのかよくわからなかったし(復讐?権力欲?狂ってる?)、トニー・スタークにとって「敵がどうこうというより、自分自身との戦い」になってしまいます。
そもそも、きっかけからして、トニーの責任もあるといえばある。


それにしても、ロバート・ダウニー・Jrさんは相変わらずいい男だねえ。
アイアンマン2』では、ちょっと影が薄かった、僕にとっての理想の秘書!(いまは社長になってしまいましたが)ペッパー・ポッツ役のグウィネス・パルトローさんの出番も今作ではけっこう多くて嬉しかった。


ストーリーは、わけのわからない敵と、流れで戦うことになってしまうんだけれども、とにかく派手で爽快で教訓めいたところがほとんどないという、ある意味潔いアクション映画です。
けっこうムチャな展開でも「まあ、『アイアンマン』だしな」って許されてしまうのは、いちおう時代劇なのにやりたい放題の『必殺仕事人』みたいなものですね。
子供が夢みるような「祭り」を本当にやってしまうというか、「いきなりスぺシウム光線を出すウルトラマン」というか。


たぶんこの映画は「なんじゃこりゃ!」と開いた口をふさがずに画面を見て、いやー、バカバカしいくらいだけど、ここまでやられたら降参!ってニヤニヤしながら帰る作品なのです。
ゴールデンウイークだし、あんまりいろいろ考えないで楽しめる映画を観たい、という人には、おすすめの作品です。
そうそう、『アイアンマン(1)』『アイアンマン2』『アベンジャーズ』は予習しておいたほうが楽しめますよ。


以下、ちょっとだけネタバレ感想です。


本当にネタバレなので、ご注意ください。


この作品のなかでいちばん印象的だったのは、なんといってもクライマックスの「アイアンマン大インフレ祭り」と、劇中で紹介されていたドイツのロケット科学者、フォン・ブラウン博士の言葉でした。
宇宙への興味からロケットを開発していた博士は、ヒトラーに「兵器としてのロケット開発」を命じられます。
その研究の成果が、V-2ロケットでした。

1944年最初のV-2がロンドンに着弾した日にフォン・ブラウンは同僚に「ロケットは完璧に動作したが、間違った惑星に着地した」と述べた。

「人間を傷つけるような科学技術開発の進歩に意味があるのか?」
「人間を科学を悪用した横暴から守るのも、科学の力ではないのか?」
『アイアンマン』とは、まさにそんな「諸刃の剣となる科学の象徴」なんですよね。
結局そこで「善良な科学が悪しき科学を駆逐できるはず」というのが、アメリカの思想なのだろうなあ。
最後にトニーがアイアンマンに対してとった行動は、そういう「連鎖」を絶ち切ろうとしたのかもしれないけれども。

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