琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

ホビット 竜に奪われた王国 ☆☆☆☆☆



あらすじ: ホビット族の青年ビルボ・バギンズマーティン・フリーマン)は、魔法使いのガンダルフイアン・マッケラン)や屈強なドワーフの一行と共に、たった一頭で一国を滅亡に導くと伝えられる邪悪な竜スマウグに奪われたドワーフの王国を奪取すべく旅に出る。竜の潜む山を目指す道中、巨大なクモの大群や凶暴なオークたちが一行の行く手を阻むように次々と立ちはだかり……。


参考リンク:映画『ホビット 竜に奪われた王国』公式サイト


2014年10本目の劇場での鑑賞作品。
平日20時からのレイトショーで、3D吹替え版で観ました。
この映画を観に行った際、珍しいことがあって。
予告編が終わり、さあ、本編開始!と思ったところで、いきなり「この回の上映は終了しました」のアナウンスが流れ、場内が明るくなって驚きました。
場内に10人くらいいたほかのお客さんも「はじまってもないのに、終わっちゃったよ……」と苦笑い。
まあ、すぐに気付いて上映再開になるだろうな、と待っていたのだが、なかなかはじまらない。
ちょっと心配になってきたところで、係員さんがやってきて、「申し訳ありません、このシアターでは上映ができなくなってしまったので、他のシアターに移動していただいてよろしいでしょうか」とのこと。
別に怒るような話でもないので、言われたとおりに移動。
こういう「融通の利かなさ」みたいなのはきっと、全体の上映システムがコンピュータ管理されているから、なのだろうなあ。
普段はほとんど人の手が要らないけれど、エラーが出てしまった場合には、個別に「ちょっと修正する」のが、難しくなってしまうのかもしれません。


ということで、シアターを移動して、ようやく上映がはじまった、と思ったら、BGMがフランス映画みたいな音楽で、違和感ありまくり。いや、『ホビット』は、『ロード・オブ・ザ・リング』よりはコミカル路線なので、『エヴァQ』みたいな演出なのか?と半信半疑だったのだけれど、また係員さんが入ってきて、「すみません、音が違ってました……」とのこと。


まあ、結果的には20分くらい遅れただけだったし、「珍しい体験で、日記のネタにもできたので、ノープロブレム」だったんですけどね。
上映終了後、招待券を貰ってしまったので、結果的には、タダで観せてもらったようなものだし。
正直、そこまでしてもらうほどのことでもないよな……と、かえって申し訳ないくらいだったのですが。


ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、『ホビット 竜に奪われた王国』は、期待通りの面白さでした。
ストーリーはまさに「王道ファンタジー」なのですが、さまざまなアクションや「この世のものとは思えない幻想的な風景」が次から次へと出てきて、飽きるヒマがありません。
テーマパークのアトラクションのような、あるいは、テレビゲーム『ドンキーコングリターンズ』を実写映像化したような、圧倒的な映像の力を見せつけられます。
ドラゴンのスマウグもド迫力。
いやーあのファイヤーブレス食らったら死ぬよなそれは……と、説得力ありまくりです。
ドラゴンクエスト』などで、「ドラゴン慣れ」してしまった人たちも、このスマウグなら「うわ、ドラゴンに遭遇したら『にげる』しかないな……」と圧倒されることでしょう。
「しかし、まわりこまれてしまった!」


そんなスマウグのすぐそばで、危険なパシリの立場をドワーフたちから押しつけられるビルボ!
身体が小さくて、「すばやさ」が高いからといって、酷使しすぎだよ、しかもトーリン第一作ではかなりビルボを信頼するようになった様子だったのに、また邪険にしてるし……
この映画、ドワーフという種族の設定を知らずに観たら、「ホビットをこき使って、なんて酷いやつらだ!」「あの状況なら、エルフに妥協しろよ!」って腹が立ってくるんじゃないかなあ。
ロード・オブ・ザ・リング』が「世界を救う」という明確な目的があって、仲間が集結した、けっこうシリアスな話なのに比較すると、『ホビットの冒険』といのは、ドワーフの都合にみんなが(とくにビルボが)振り回されている、そして、彼らが何をしたいのか、いまひとつよくわからないんですよね。
だからこそ、「明るくって、少しコミカル」なファンタジーとして、『ロード・オブ・ザ・リング』と一線を画していられるのも事実なんですけど。
さらに「チームのエース格」であるにも関わらず、肝心なところでいつも単独行動をとりたがるガンダルフ
なんて協調性に欠ける魔法使い!


最後のあの終わりかたは何なんだ……とは、やっぱりちょっと言いたくなります。
観ている人の95%くらいは、これまでの流れで、あの怪物がどんなふうに倒されるか、ほぼ予想がついていると思うのですが、それだけに「わかりきった結論を確認するために、あと1年も待たなければならないのか……」と、まだるっこしい気分にはなりますね。
僕は『ロード・オブ・ザ・リング』のなかでは2作目の『二つの塔』がいちばん好きなんですよ。
あの絶体絶命の状況で、ガンダルフが救出に来てくれたときのカタルシス!
いちばん満足したところでエンディングがはじまり、「これならもう、3作目なしでも、ぐっすり眠れそう」な感じですらありました。
ところが、『ホビット』シリーズは、もともと2作だったものを3作に分割して公開することになったため、それぞれの「切れ目」が、ちょっと不自然な感じになっているのです。
この『竜に奪われた王国』のラストを見ながら、僕は『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』のラストを思い出していたんですよね。
まさにああいう感じの「もどかしさ」。
ハン=ソロがこんな状態で終わっちゃっていいの?という。
観客が続きを観るのは1年後でも、「映画内時間」は、次作がはじまるまで止まっていてくれます。


とりあえず、もう早く3作目を公開してくれ……という気分です。
ファンタジー映画やゲームのファン、そしてもちろん、原作ファンにもオススメできる作品ですよ。
そうそう、観る前には、1作目『ホビット 思いがけない冒険』をDVDなどで予習しておいたほうがいいです。
僕の場合、1年経ったら、自分が嫌になるくらい1作目の内容を忘れてしまっていたので。

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