- 作者: 秋吉理香子
- 出版社/メーカー: 双葉社
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- 作者: 秋吉理香子
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内容(「BOOK」データベースより)
幼稚園児が遺体で見つかった。猟奇的な手口に町は震撼する。そのとき、母は―。ラスト20ページ、世界は一変する。『暗黒女子』の著者が放つ驚愕の長編サスペンス・ミステリー!
「新進気鋭の作家が放つ、驚愕のミステリー! 私も驚きました!」
というPOPを書店でみて、なんとなく購入。
久々に、物語、できればデキの良いミステリを読みたい気分だったのです。
しかしながら、こういう「どんでん返し系」あるいは「叙述トリック」の場合、オビに「ラスト20ページ、世界は一変する」って書いてしまうのは、良いことなのか、悪いことなのか。
映画とかでも、「ラスト○○分の衝撃!」みたいなコピーがつけられているものは、こちらも身構えて観てしまうんですよね。
いやまあ、ここまで「叙述トリック的なもの」が一般化してしまうと、ある程度の年季が入った「ミステリ好き」は、「叙述トリック前提」で、「さ、この作品は、どうやって読者をミスリードしようとしてくるのかな?」という目線で読んでしまうところもありまして。
正直なところ、冒頭の20ページくらいのところで、「最初のトリック」はわかりました。
まあ、それはそれで、「ああ、この辺の描写、苦しいなあ」とか思いながら、けっこう楽しんでいたんですけどね。
映画『イニシエーション・ラブ』も、例のシーンで、多くの観客が「失笑」していたのが、僕はすごく印象的でした。
あれは、「原作のあのトリックを、どう映像化するのか?」が注目されていましたしね。
この『聖母』の最後のどんでん返しに関しては、「ちょっとこれ、反則じゃないの?」というか、ミステリの作法的には、「読者に事実を教えない」まではアリでも、「読者に嘘をつく」のは、いただけないなあ、と。
絶対に忘れられないであろう人のことを、「知らない人」のように描写するのは、いかがなものか。
「ラスト20ページのどんでん返し」のために、けっこうムリしてるよなあ、とは思いました。
ただ、この作品、ミステリマニア向けではなく、「叙述トリックって、何?」というような、ミステリファン以外の読者にとっては、「なかなかよくできた2時間ドラマみたいな小説」なのかもしれないなあ、という気もします。
僕もなんのかんの言って、最後まで通読しましたし。
けっして、つまらなくはないし、「女性が決定的に傷つけられることに対して、あまりにも無防備な社会」について、考えさせられるところもあるんですよね。
叙述トリック慣れしていない人は、けっこう楽しめるのではないでしょうか。
それにしても、最近のミステリって、とにかく「ラストのどんでん返し」を要求されてしまうのか、話題になるのは、「叙述トリック」ばかりのような。
最近、叙述以外で、こりゃすごいな、と思ったミステリって、『64』くらいだものなあ。
あれは、作者と登場人物の「執念」が伝わってくるミステリだった。
- 作者: 秋吉理香子
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2013/06/19
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- 作者: 秋吉理香子
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- 作者: 横山秀夫
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- 作者: 横山秀夫
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