琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

【読書感想】バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる ☆☆☆


Kindle版もあります。

「バズる」は才能ではなくノウハウだ!
「書く力」が、人もお金も引き寄せる。

誰もがSNSを当たり前に使うようになり、
すべての人が手軽に「書くこと」で発信できる、「一億総書き手時代」が到来した。

副業としてブログやアフィリエイトを行う人が増えている昨今では、
「文字で自分の思いを伝える」重要性は日に日に高まっています。

しかし、「書くこと」が日常的になった半面、
「ネットで多くの人に読まれ、拡散されていく」=「バズる」文章の書き方、
情報発信の方法については、教わる機会がない。
いったい何を、どう書けば「バズる」のか?

本書では、HONZ代表の成毛眞が教える、
共感を呼び、最速で拡散させる最強のSNS文章術!


 こういう「SNSでの文章術」や「成功術」に関する本は、けっこうたくさん出ているのですが、僕は基本的に「書いている人の属性」が大きいと思っているのです。
 Twitterでいえば、ツイートの内容の面白さで多くのフォロワーを得ている人ならともかく、こういう本を書いている人の多くは「もともと有名人」なのです。
 もちろん、有名人のTwitterやインスタグラムがつねに賑わっているというわけではありませんが、少なくともかなり底上げはされますよね。
 個人的には「SNSでバズって(話題になって、多くの人に読まれて)有名になる」よりも、「まず有名人になってからバズる」ほうが、いまの世の中では簡単なのではないか、と思うくらいです。

 その一方で、たしかに「学歴とか文章力とか肩書きに関係なく、ネットで人の心をざわめかせる発信ができる人がいる」のも事実なんですよね。

 世の中には、とくに何の訓練もしていないアマチュアであっても、天才的に文章がうまい人がいる。
 私が主宰する書評サイト「HONZ」の執筆者に、まとまった文章を書く習慣はおろか、本すらほとんど読んだこともなかったという高卒の元暴走族がいるのだが、彼などもまさに天賦の才として文章を書く能力を授かった一人だろう。
 たしか、あるとき珍しくツイッターを開いたら、彼からのリプライが入っていたと記憶している。短い文章だったが、あまりのもうまいのですぐに「HONZ」に参加しないかと声をかけた。うまい人はほんの一文にすら、隠しきれない才能がにじみ出るものなのだ。
 その実力は私のみならず出版社の編集者たちをも仰天させた。いまや彼は主要経済誌にも連載を持っている人気コラムニストだ。
 そう聞くとみなさんは意気を削がれたように感じるかもしれないが、何事もやってみなくてはわからない。
 彼のように天才的に文章がうまい人は、私の所感では1万人に1人だ。しかし、あなたもいざ書いてみたら彼のような1万人に1人の逸材だったとわかるかもしれない。それに、書く技術は老若男女を問わず上達できる。あなたも決して例外ではない。


 正直、あなたがこの「1万に1人」かどうかは、書いてみなければわからないし、試してみる価値はあっても、あんまり期待はしないほうが良いのではないかと思います。少なくとも「人生が変わる」レベルの変化がSNSでもたらされる人は、ごくわずかしかいません。
 ただ、この本に書かれている「読んでもらうためのコツ」みたいなものを意識すれば、友だちのあいだで、「お前のSNSは面白いな」って言ってもらえるくらいの変化は期待できそうではあります。

 この本では、「スマホファースト」、スマートフォンで読まれることを意識した書き方の重要性が語られています。

 スマホで読みやすいかどうかは、基本的には自分の感覚で判断すればいい。
 しかし、そういわれても何をどうすればいいかわからないという読者のために、「HONZ」でルール化している文章術を紹介しておこう。

 まず1つめは、「一字下げ」をしないことだ。いまでこそ世の中に定着している感もあるが、これを明確にルール化したのは「HONZ」が最初ではないかと思う。
 小学校で初めて作文を書かされたときから、私たちは「段落の最初の1文字は空欄にすること」を習慣づけてきた。しかし、横書きで、しかもスマホで読まれることが大半であるSNSで一字下げをしてもあまり意味がない。

 そもそもなぜ、段落が変わったときに一字下げるのか。
 それは、読んでいる人に「ここで段落が変わりましたよ」と伝えるためだ。改行を境に話が少し展開するという目印なのである。
 段落変えの一字下げがあることで、読者は、「よし、ここで話が少し展開するんだな」という心づもりを持って読み進めることができる。「ここまで読んだ文章は、こういうこと」という記憶の道しるべにもなる。
 ただし、これは本のように1行40字などの縦書きのフォーマットでこそ生きる機能だ。いかんせん一行が短いスマホの画面で、段落変えの際に一字下げても、あまり有効ではない。スマホで読まれることを前提にすると、もっとわかりやすい目印が必要だ。
 
 そこでSNSでは、段落を変えるときには1行開ける。
 これはつまり、SNSにおける改行は段落変えを意味しないということだ。
 縦書き1行40字といったフォーマットでは「改行=段落変え」である。しかしSNSでの改行には、見出しの役割を果たす1行を作ること、効果的に余白を作ること、改行前後の文章を強調することなど、これ以外の従来の文章の作法とは別の目的があるのだ。これらの機能と段落変えを明確に区別するために、段落変えは1行空きで表現するといってもいいだろう。


 僕自身は、紙の本を長年読み続けてきましたし、学生時代には、SNSは存在していませんでしたから(いまでも、学校で「SNSの使い方」は教えていないでしょうけど)、どうしても「インターネット以前の紙での書き方のルール」にこだわってしまいます。
 読まれるデバイススマートフォンタブレット端末など)が変われば、読みやすい書き方も変わってくるのです。

 作品の良しあしは「最初の1行」で9割決まる。これは作家の間でよくいわれてきたことだが、SNSでの発信でも同じだ。
 むしろSNSでは、より一層最初の1行の重要性が高い、といってもいいのかもしれない。
 本は、読者が自分の意志で「開く」ものだ。一方、SNSはスクロールするごとに、さまざまな人が書いたものがどんどん「流れてくる」ものである。見ている人はあまたの人の投稿の1行目を見て、その投稿を読むかどうかを決める。
 最初の1行で面白そうだと思ったら2行目以降も読み、さらに長い文章の場合は「もっと見る」もクリックするが、最初の1行で関心を持てなければ、読み飛ばされてしまうだけである。
 その判断は、おそらく時間にしてコンマ1秒ぐらいで下されているはずだ。
 書き手からすれば、より多くの人に読んでもらいたいのなら、最初の1行で瞬間的に読者の関心を引かなくてはいけない。少なくとも「おっ?」と思わせなくてはせっかくの投稿が読み飛ばされ、かけらも読者の記憶に残らない。いわゆる「つかみ」を強烈にする必要があるのだ。

 最初の1行にも、いくつかやってはいけないこと、したほうがいいことがある。
 まず、最初の1行が長いのはよくない。読むほうの立場から考えてほしい。あなただって、何気なくSNSを見ているときに、だらだらと長い1行から始まる投稿をじっくり読みたいと思うだろうか。
 SNSには、大学教授や新聞記者など「伝えること」のプロであるはずの人たちが、この過ちを犯しているケースが多く見られる。
 なまじ日常的にまとまった文章を書き慣れているからだと思うが、SNSの特性が見過ごされているうえに、読む人に対する親切心も損なわれていると感じる。


 スマホネイティブ(物心ついたときから、スマートフォンが世の中に存在していた人たち)ではない僕も、「紙の文章のルールやリズム」にこだわってしまうところがあるのです。
 読んでいると、違和感があるところも多いんですよ、この本。やっぱり内容が大事だろう、とも思うし。
 でも、違和感があるからこそ、読んで、参考にする価値もあるのですよね。


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