あらすじ
地球に生息している異星人たちの監視と取り締まりを行っている最高秘密機関MIBことメン・イン・ブラックの新人女性エージェントM(テッサ・トンプソン)は、MIBロンドン支部内に潜んでいるとされるスパイの摘発を命じられる。Mは、先輩エージェントのH(クリス・ヘムズワース)と共に任務の遂行にあたるが、スパイ側が仕掛けていた裏工作によってMIBから追われる立場になってしまう。
2019年、映画館での13作目。
平日の朝の回で、観客は20人くらいでした。
トミー・リー・ジョーンズさんのMIBの敏腕エージェント・“K”と、ウィル・スミスさんの若手エージェント・”J"のコンビから、『マーティ・ソー』のクリス・ヘムズワースさんの”H"と、テッサ・トンプソンさんの"M"のコンビにバトンタッチされた、今回の『インターナショナル』なのですが、なんというか、「感想を書くのに困る映画」ではあります。
ものすごくつまらないわけじゃないんですよ、本当に。
どこかで観たことがあるようなストーリー展開ではあるのだけれど、このシリーズのことなので、あえてそういう「ベタさ」を狙っているのかもしれないし、”M"が見習いエージェントとしては功名心丸出しなのが鼻につくのは、欧米と日本の「アピール文化」の違いなんだろうな、とか思うんですよね。
「メン&ウーマン・イン・ブラックだ!」には、いまのハリウッドでの「性別を扱うことの難しさ」とともに、「マイ・リトル・ラバーかよ!」と内心ツッコミを入れてしまいましたが。
物足りないというか、せっかくの『MIB』なのだから、もっとヘンな異星人がたくさん出てきてほしかったし、「なぜそうなったのか」が端折られていて、「これは何かの伏線か?」と思いきや、全然関係ない、というところも少なからずありました。
とはいえ、クリス・ヘムズワースさんの「色気」みたいなものには魅了されてしまうし、リーアム・ニーソンさんも渋い。出てくるメカも、どこかで見たことがあるようなものだけれど面白い。
そもそも、『メン・イン・ブラック』って、そんなに大仰なシリーズではなくて、伝統的なバディものを大げさな舞台でやってみせている作品だと思うのです。
正直、これまでの作品も「すごい!」とか「ものすごく面白い!」「参考になります!」というようなものではなくて、「なんか楽しい気分で2時間過ごせたな、よしよし」って映画館を出る、そんな感じでした。
重苦しい「テーマ」が無いところが、このシリーズの魅力でもあるのです。
あえて言えば、想像力があるところに、扉は開かれる」かな。
要するに、主役のエージェント2人が、トミー・リー・ジョーンズさんとウィル・スミスさんじゃないとしっくりこない、という人にとっては「こんなの『MIB』じゃない!」だろうし、黒いスーツとサングラスでキメて、異星人に銃をぶっ放すのが『MIB』だという人にとっては「これはこれで、『新章』として有りだろうな」ではないかと。
僕は『MIB』シリーズは、前作映画館で観ているくらいには好きですが、それ以上の思い入れもないので、「まあ、これはこれでいいか。『万人が普通に楽しめて、パッと忘れられる映画』としては、過不足ない佳作だし、それが『MIB』だから」というところです。
こういうのが、映画館で観たら、ちょっと損した感じがして、レンタルDVD(あるいは配信)だと満足できる映画なんだろうなあ。
正直、もうちょっとふざけてくれてもよかったのに、と「観光映画」にしては、舞台が少ないな、とは思ったんですけどね。
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