琥珀色の戯言

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【映画感想】スパイダーマン ホームカミング ☆☆☆

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あらすじ
15歳の高校生ピーター・パーカー(トム・ホランド)は、まるで部活動のようなテンションでスパイダーマンとして活動していた。まだ若い彼の才能に気付いたアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、ピーターを真のヒーローとして育てようとする。スタークに新しいスーツを新調してもらったピーターは、意気揚々と街へ乗り出し……。


www.spiderman-movie.jp


 2017年の映画館での20作目。平日の夕方で、観客は50人くらいでした。
 マーベルの映画『スパイダーマン』シリーズはずっと観てきているのですが、僕はサム・ライミ監督版の『スパイダーマン』が好きなので、予告編をみて、今度のお手軽な感じの三度目の『スパイダーマン』の映画化には、あまり食指が動かなかったんですよね。
 何度転生すればいいんだよ、スパイダーマン……しかも、どんどん安っぽくなってる感じだし……


 「あんまり疲れない映画がいいな」という状況で観てみると、ちょっとした気分転換には、このくらいの「ご近所ヒーロー・スパイダーマン」も悪くはなかったんですよ。
 『アベンジャーズ』の満漢全席みたいなヒーローも敵も特撮も特盛り、に比べると、コストパフォーマンスは悪いような気がしますが、それだけに、観る側も重苦しくはないし。
 それなりに楽しめて、観終えたら、「まあ、こんなもんだよね」と、すぐに日常に戻れる、そんな映画です。
 それでもやっぱり、僕はサム・ライミ監督版のほうが好きなんだけどさ。


 三度目の映画化ともなると、「どのようにしてスパイダーマンが誕生したのか」とかは、「もうみんなわかっているだろうから割愛!」ということになっているのが、むしろ清々しい。
 おかげで、上映時間も2時間13分と、これまでのシリーズのなかでは、比較的短めになっています。
 ただ、学園生活+あんまりたいしたことない敵とあんまりたいしたことのないバトルを繰り返すので、正直、僕は途中ちょっと眠くなってしまいました。メリハリに乏しいんだよなあ。


 敵も、ものすごく悪いヤツというよりは、大企業と政治家の都合に振り回された零細企業経営者が生活のためにと、ちょっとした悪事に手を染めていくうちに、どんどん悪いことに抵抗がなくなっていく、という「新自由主義」とか「格差社会」の犠牲者のような存在なのです。
 いまの世の中では、「悪の秘密結社」とかよりも、「食うためには悪事も厭わなくなったワーキングプア」のほうが、リアルな敵役だというのは、わかるような気がする。
 そもそも、彼らは本当の「悪役」なのか、っていう話ですよね。
 この映画では、わかりやすく、明らかに「悪いこと」をやっているのだけど、「悪いことがしたくてしょうがない」という悪役ではなくて、「生きていくために稼ぐための手段が悪いことしかなくなってしまった」ような感じなのですよ。
 武器を売るのが悪いっていうのなら、トニー・スタークはどうなんだ?
 体制側にいるから、規模が大きくて、政治に影響力があるから、自分のやっていることを正当化しているだけではないのか?
 そういう「問い」に対して、スパイダーマンが「まずはご近所ヒーローとして、手の届く人たちを助けたい」という姿勢をみせるのは、やなせたかし先生の「お腹がすいた人に食べさせてあげることが正義」と同じ思想を感じるのです。
 いまのアメリカにとって怖いのは、他国の狂信者集団よりも、自分の身近なところで、生活や社会に適応できずに悩んでいるうちに、ネットなどを通じて洗脳されてしまう「ホームグロウン・テロリスト」なのですよね。
 政治が「アメリカ・ファースト」なら、スーパーヒーローも「ご近所・ファースト」なのが、いまのアメリカの潮流なのかもしれません。
 僕はそれが「あたりまえの選択」のように(この映画をみたかぎりでは)思いました。
 「なんかスケール小さいなあ」っていう気がするんだけど、あえてスケールを小さくしたことが、この映画の「狙い」だったんだよね、たぶん。予算が少なかっただけの可能性もありますが。


 最近のマーベルのシリーズは、ほとんど『アイアンマン』ロバート・ダウニー・ジュニアさんに持っていかれている感じだよなあ。今回は僕が大好きな秘書のペッパー・ポッツさん(グウィネス・ パルトロウ)もちょっとだけ出てくるのが嬉しい。グウィネス・ パルトロウさんは、アメリカではいろいろとバッシングされているそうだけど。


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