琥珀色の戯言

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アメイジング・スパイダーマン ☆☆☆



あらすじ: 高校生のピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)は両親が失踪した8歳のときから伯父夫婦のもとで暮らしていた。ある日、ピーターは父リチャード(キャンベル・スコット)の共同研究者だったコナーズ博士(リス・エヴァンス)のもとを訪れ、研究室で特殊なクモにかまれてしまう。その直後、ピーターの体には異変が起き……。

参考リンク:アメイジング・スパイダーマン - オフィシャルサイト


2012年19本目の劇場鑑賞作品。
月曜日の21時からの回で、3D字幕版。
先週末からの公開ということで、30人くらい入っていて、なかなかの人気ぶりです。
2D版、3D吹き替え版とバリエーションも多いのですが、全部合わせると、まずまずの盛況と思われます。


この『アメイジングスパイダーマン』、当初は、2011年に『スパイダーマン4』が公開される予定だったのが、これまでのシリーズのサム・ライミ監督が降板してしまったことで、「最初からつくりなおし」になったそうです。
この話を聞いたとき、「サム・ライミ版の『スパイダーマン』はアメコミ映画の傑作だったのに、なんでたった10年でリメイクしようとするんだろう?」と感じたんですよね。
サム・ライミ版の『スパイダーマン』の第一作は、2002年に公開されていますが、映像的には、今観ても「古さ」はほとんど感じません。
もちろん、「3D」という武器が、『アメイジングスパイダーマン』にはあるのですが、それも、今作を観るかぎりでは、「3Dのおかげで、圧倒的に映像がすごくなった、とも言い難い」です。
むしろ、サム・ライミ版のスパイダーアクションに比べると、敵が小型化したというか、韓国映画の『グエムル』あるいはハリウッド版の『ゴジラ』みたいになっていて、どうもあんまり迫力が伝わってこないんですよね。


ただし、この映画、「前作と比べてあーだこーだ」と言わなければ、十分楽しめるヒーローアクションだと思います。
この映画を観る前に、『ダークナイト・ライジング』の予告編が流れていました。
バットマン』シリーズや『アイアンマン』などはアメリカでの人気に比べ、日本ではあまりお客さんが入らなかったのですけど、『スパイダーマン』シリーズは、日米ともに大ヒットしています。
スパイダーマン』には、日本の特撮ヒーローっぽい「ヒーローの苦悩」が描かれていたり、街の人たちがヒーローを応援する姿も必ず出てくるのです。
今回、『アメイジングスパイダーマン』を観ながらあらためて感じたのは、スパイダーマンが活躍すればするほど、ピーター・パーカーは不幸になっていくなあ、ということでした。
いやほんと、ベンのシーンなどは、観ていて今回もつらくなりました。
ああ、今回もこのシーン、あるのか……って。


この『アメージング』では、登場人物の人間関係や感情表現に対する描写が、サム・ライミ版に比べると、おとなしくなったような気がします。
それは、サム・ライミ版が、あまりにも「人情劇」になりすぎたことの反省なのではないかなあ。
もっとも、サム・ライミ版がアメコミヒーロー映画の中で「異質」だったのは、「ふつうの人たちのドラマ」を取り入れていたことなんですけどね。
僕は、ダメなヤツっぽいトビー・マグワイアのピーターや、そんなにかわいくはなかったけれど、ノーブラが印象的だったキルスティン・ダンストさんのメリー・ジェーンが好きだったので、キャスト変更には、やっぱり違和感がありました。


個人的には、「サム・ライミ版に比べると、『脚本の棒読み』みたいな映画だけれど、これまで、映画の『スパイダーマン』を観たことがない人にとっては、けっこう楽しめるアクション作品」だと思います。
前とそんなに違わないよ、とか言いながら、観ているとけっこう楽しめるんだよなあ。
しかし、パパってつらいね……

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