琥珀色の戯言

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図書館戦争 ☆☆☆

図書館戦争

図書館戦争

 「ひとり本屋大賞」5冊目。
 読んでみて確かに「面白い本」であることは間違いないと思います。主人公・郁をはじめ、キャラクターには魅力があるし、「図書館の自由」をめぐる抗争というのは、多くの本フリークにとっては心躍る題材ではありましょう。ストーリーもベタと言えばもうベタベタなんですけど(『はいからさんが通る』+『ラブ☆コン』(あるいは「かぼちゃワイン」という感じ)、たぶんこの作品はそれで良いのでしょう。正直、この世界における「戦争」というのが、あまりに箱庭的というか、「命懸けで戦争ごっこをやっている人たち」のようにしか見えないのは興醒めではあるのですが、それを言うなら「帝国軍の死傷率70%、同盟軍75%」とかの『銀河英雄伝説』のほうが、かなり壮大に噴飯モノであるはずで、この設定に挙げ足をとりたくなるのは、僕自身が年を取ってしまって、ひねくれた本読みになってしまったからなのかもしれません(今でも『銀英伝』は大好きですけどね)。今の本好きの中高生が、この『図書館戦争』を読んだら、けっこう素直にこの世界観にハマってしまっても全然おかしくないでしょう。
 しかし、この本、このページ数でこの分厚さで1600円って、ちょっと必要以上に厚いし高いよねえ。文庫とか新書サイズで値段が半分だったら、若い本読みにはありがたいだろうに。
 そうそう、本屋大賞的には、非常に「映画化しやすそうな話」であるところはポイントが高そうです。その場合、郁は長澤まさみ上野樹里、といったところか。

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