ジオングの整備兵は「足なんて飾りです」とは言ってない−頭ん中−
そうだったのか……という話ではあるのですが、僕が久々にこの動画を観て感じたのは、「シャア・アズナブル大佐と部下との信頼関係の深さ」なんですよね。リアルタイムで観たときには、全然そんなこと思わなかったんだけど。
ちなみに、Wikipediaによると、この整備兵は、リオ・マリーニという人だそうで、
ジオン公国軍人。階級は軍曹で、宇宙要塞ア・バオア・クーの技術整備士。ジオングを見たシャアに足が付いてないことを指摘されたが、MSにとって足は飾りだと断じていた。更にサイコミュを使いこなせるか尋ねるシャアへ、ニュータイプ能力が未知数ゆえに保証できるわけがないと歯に衣着せずズバリと答え、彼の不興を買う。流石に悪いと思ったのかシャアの出撃の際には気休めの言葉をかけて見送った。劇場版では声優が異なるが、未クレジットのため声優名は不明。
但し、この名前は二次創作の短編小説集『ガンダムNOVELS―閃光となった戦士たち』で作られた非公式設定であり、放映当時はアニメ本編でも設定書でもあくまで名無しの整備兵である。
というふうに説明されています。
しかしながら、僕はこの場面で、シャアが「不興」には見えないんですよね全然。大佐と軍曹という階級差を全く感じさせないような「忌憚のない意見」を述べてくれるこの「整備のエキスパート」をシャアは大いに尊重し、面白がり、信頼しているように感じられるのです。まあ、シャアがそういう上司でなきゃ、この整備兵もこんなにズケズケものを言わないでしょうし、信じてなければ、シャアだって、
ありがとう、信じよう。
って手をゆっくり手を振りながら、ひとつ間違えたら自分の棺桶になってしまう「未知数の新型モビルスーツ」に乗ったりできませんって(いや、この場面で半信半疑でも「信じよう」と言っていたとしたら、ほんとに千両役者ですが)。
まあ、ガンダムを倒せるとしたら、この新型の性能に賭けるしかない、っていう気持ちもあったんでしょうけど、それにしてもこの場面でシャアという「上司」が見せる「穏やかさ」と「おおらかさ」には、あらためて驚かされます。
きっと、「赤い彗星」は、部下から絶大な信頼を集めていたに違いありません。
ああ、なんだかまた『ガンダム』観たくなってしまいました。
今なら、こういう「ちょっとした人間関係の妙」も、少しはわかるのではないかなあ。