- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2008/02/20
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ラスト7分11秒。あなたは絶対騙される。
某TUTAYAで見かけたこのキャッチコピーが非常に気になっていたのですが、結果的には、「ブルース・ウィリス仕事ないのか?『ダイ・ハード4.0』はけっこう良かったのに……」と心配になってしまいました。
いや、映画そのものは、「展開が唐突なのと出てくる人物にあまり感情移入できないことを除いては、『ごく普通のサスペンス映画』だったとは思うんですけどね。
このキャッチコピーには、確かに「どんな意外なトリックなのか観てみたい」と興味をそそられてしまうのですが、実際に映画を観ていると、「どうせ最後にどんでん返しがあるんだろ?」という「心構え」ができてしまうという、サスペンスにとっては「負の影響」もけっこうあるのではないかと思います。
観ている途中も「まだ残り7分じゃないだろうから、これで終わりじゃないな」というような「予想」をしてしまいますし、そもそも、「ここはお化け屋敷ですよ」と予告しているところでお化けが出てきても、やっぱりそんなに怖くはないのです。
「どんでん返しがありますよ」ってあらかじめ言われてしまっては、どんな展開も「どんでん返し」では無くなってしまいます。
いや、実際のところ、この映画のストーリー展開というのは、「古典的なサスペンス映画」のもので、「絶対に騙される」ような話じゃないですし、ややネタバレ的に言えば、あんな杜撰なやり方でうまくいくわけがないというか、アメリカの警察だってそこまで無能じゃないだろうと思うんですよね。桐野夏生の『OUT』を読んでから出直してこい!と。
とりあえず、「看板に偽りありすぎだろ!」と言いたくなったのですが、もしこの「ラスト7分11秒……」のキャッチコピーがなかったら、この映画そのものを観ていなかった可能性が高いので、少なくとも営業的には「素晴らしいコピー」だったと思います。
ただ、それが結果的には観客から楽しみを奪ってしまっているのも事実なんですよねえ……
そういえば、最近シネコンなどでは映画の「上映時間」をけっこうキチンと表示してくれることが多くて、あれは時間調整には便利なのだけれども、その一方で、映画を観ながら「まだ時間があるから、もうひと波乱あるな」なんて考えてしまうという面では、ちょっと寂しい気はしますね。
なら時計なんて見るなよ、という話なんですが、中だるみしてたりすると、つい見ちゃうんだよなあ。