琥珀色の戯言

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【読書感想】お探し物は図書室まで ☆☆☆

お探し物は図書室まで

お探し物は図書室まで


Kindle版もあります。

お探し物は図書室まで

お探し物は図書室まで

内容(「BOOK」データベースより)
お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?悩める人々が立ち寄った小さな図書室。不愛想だけど聞き上手な司書さんが思いもよらない選書と可愛い付録で人生を後押しします。『木曜日にはココアを』の著者が贈る、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。


 『2021年ひとり本屋大賞』2冊目。
 ああ、ハートウォーミング!
 読んでいて、スピードワゴンの「あまーい!」というネタが何度も頭に浮かんできました。
 
 仕事や生きづらさと、一冊の意外な本。
 いままで自分が生きづらい、やりづらいと思っていた環境は、自分の意識の持ちかたや自分から積極的に動いてみることで、変えることができる。
 

「ねえ、諒ちゃん。世界は何で回っていると思う?」
「えっ……。えっと、愛、とか」
 僕が答えると比奈は「えーっ!」と叫んで目を丸くする。
「すごいなぁ、諒ちゃんのそういうところ好きだけど」
 おかしそうに笑ったあと、比奈は諭すように言った。
「私はね、信用だと思ってる」
「…………信用」


 お、岡田斗司夫キターーーーーー!
 茶化してすみません。
 正直、読みやすいし物語だと思うし、読んでいて前向きになれるというか、僕もカステラつくってみようかな、という気分にはなるんですよ。
 その一方で、あまりにも自己啓発的というか、オンラインサロンの宣伝みたいな話だなあ、とも思いました。

 読んで少し時間が経つと、「どこかで読んだことがあるような、登場人物がリンクしていく短篇連作小説」で、いかにも『王様のブランチ』で紹介〜『本屋大賞』ノミネートされそうな本なんですよ。
 「『王様のブランチ』攻略法」をAI(人工知能)に学習させて書かせたら、こうなりました、みたいな感じ。

 それが悪いわけじゃないし、僕自身、結局のところ、みんなが喜ぶのは「王道のハートウォーミング小説」だし、主人公があまりにも酷い目にあったり、救われなかったりするものは、いまの時代にはウケない、というのもわかります。
 わざわざ本を読んで、モヤモヤした気分にはなりたくないものね。

 「司書さんのおすすめ本」も、物語とうまくリンクできているものもあれば、あんまり関係ない、あるいは無理やりつなげている、と感じるものもありました。

 いや、本当に、きわめて「善良な小説」だと思うんですよ。僕の好みじゃないだけで、こういう本を求めている人がたくさんいるというのも理解はできるのです。できるんですけどね……

 もう書くことがないので終わります。


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