- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2012/04/25
- メディア: DVD
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◆ストーリー◆
数々の命懸けのゲームに勝利し、多額の借金を帳消しにした伊藤カイジ(藤原竜也)。
まさに人生の逆転を果たしたと思いきや、1年も経たないうちに、またしても借金まみれの「負け組」に。
再逆転を目指すカイジが今回挑むのは、当たれば10億円以上稼げるモンスターマシーン、通称“沼”。
ただでさえ難攻不落の“沼”を、更に100%攻略不可能なようにコントロールしているのは、裏カジノの若き支配人・一条聖也(伊勢谷友介)。
しかも、カイジと一条の間には、驚愕の因縁があった。地上300mの超高層ビルの間に渡された細い鉄骨を渡るという、まさに命懸けのゲームに挑戦して渡りきった男は、一条とカイジの二人だけだったのだ―
そんなカイジにとって最大最強のライバル・一条が支配する”沼“を攻略するため、今回カイジは、同じ「負け組」の石田裕美(吉高由里子)、
坂崎孝太郎(生瀬勝久)、そして前作でカイジの行く手を阻み続けていた利根川幸雄(香川照之)とまで手を組む。
それぞれの理由でドン底の人生を送る「負け組」 4人が、希望ある人生を奪回するため、またしても命を懸けた数々の究極のゲームに挑む!!
「よし、こうなったら、アレをもう一回やるしかないっ!」
……カイジ、もう、「ブレイブメンロード」を10回やったほうが、手っ取り早いんじゃない?そんなに得意なんだったらさ……
というか、どう考えても、ブレイブメンロードのほうが怖くないか?
そもそも、あんな目にまであったのに、「なぜか」地下に逆戻りしているカイジもなんだかなあ、という感じなのですが、仲間のために稼ぎに行く場所が、またもや帝愛の裏カジノというのがなんともはや。
そしてまた、この帝愛っていうのがすごい。
「お金大好き!」っていう雰囲気のわりには、やっていることは素人でもわかるような、場当たり主義の経営です。
石田裕美とか利根川とか、働いている連中、フリーダムすぎるだろ……
「従業員にはボディチェックがない」って、賭場でいちばん危険なのは、身内の人間だろうに……
でも、そういうちょっと抜けたところが、カイジの面白いところだし、「こんなのありえない!」とか怒りながら見るようなものじゃないとは思うんですけどね。
従業員でさえ、「あまりにあからさまなので使えない」と言っていた「沼」の秘密兵器、観て大笑いしてしまいました。
マンガでみるより、実写でみると、さらに「あからさますぎ」!
「これでもう『沼』を打つ客はいなくなるだろうが、しかたがない」って、いや、そこは商売として考えれば、大当たりさせて宣伝にするべきなんじゃなかろうか。
あんなインチキがバレたら、客は「沼」どころか、あのカジノそのものに寄り付かなくなること必定です。
賭場というのは、客を勝たせないで稼ぐというよりは、客にたくさん賭けさせて、その売り上げのなかから上前をはねるのが基本です。
もちろん、客に勝たせてばかりでは大赤字でしょうが、さすがにあれはないよね。
他の客だって、帰るか暴れるだろ……
あの「沼」が、どうやって実写で再現されるか楽しみだったのですが、「ちょっと大きな一発台」って感じで、原作でみたときのような威圧感はありませんでした。
マンガの場合は、どうしても読んでいる側が想像力で補ってしまう面があるので、しょうがないんですけど。
しかし、帝愛って、あんな悪いことばっかりしてるのに、死のゲームやギャンブルに勝った客には、ちゃんとお金を払っているところがすごい。
律儀といえば、律儀だなあ、といつも感心してしまいます。
「そんなの知るかあ!」と突っぱねれば、警察に届け出ることができるような案件ではないのに。
「裏社会での評判を気にしている」のであれば、あの「秘密兵器」は無いよねえ、笑えるけど。
前作でも書いたのですが、カイジは、所詮、帝愛がつくったゲームのルールにしたがって、「おこぼれにあずかっているだけ」ではあるんですよね。
他の人たちが負けたお金を貰っているだけのことです。
だから、カイジはいくら勝っても、帝愛の屋台骨は揺るがない。
そこは、やっぱりなんか僕としてはすっきりしないのです。
あと、この「2」は、「沼」のエピソードが大部分を占めているのですが、「1」のときのような、知力を尽くしての勝負というより、「イカサマ合戦」になってしまっていて、「ゲームの面白さ」はいまひとつでした。
いや、「沼」っていう一発台は、たしかに観ていて、上映時間的に、どうせここでは入らないとわかっていても、「惜しい!」って口から出てしまうくらいの魅力はあるんですけどね。
役者さんたちは、今回のカイジ=藤原竜也さんは、前ほど「仲間!」とか言わなくなって、観やすくはなりました。
香川照之さんの利根川は、相変わらずの職人芸。
吉高さんは……結局「いいとこどり」なのね。
原作の「沼」のエピソードが好きな人は、「こんなふうに映像化されたのか」というのを確認しる意味で、観てみると面白いのではないかと思います。
ギャンブルとダメ人間が嫌いな人、過剰なウソをウソのまま面白がるのが苦手な人には向かない映画なので、避けたほうが無難でしょう。