琥珀色の戯言

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シュガー&スパイス 〜風味絶佳〜 ☆☆☆

シュガー&スパイス 風味絶佳 [DVD]

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米軍基地に隣接し、アメリカの香りがまだ色濃く残る街・東京―福生。ただ毎日を平凡に過ごしている志郎(柳楽優弥)は、高校を卒業した後も「大学に行く必要が無い」と言う理由と、アメリカかぶれのグランマ(夏木マリ)の後押しで、今はとりあえずガソリンスタンドで働いている。仕事にもようやく慣れた頃、志郎が働くガソリンスタンドに新しいバイトとして乃里子(沢尻エリカ)が入ってきたことで、志郎はかつて感じたことのない感情を抱くようになる。「これが恋・・・?」

いや〜いい映画だなあ(棒読み)。
柳楽優弥沢尻エリカという、まさに旬のコンビによる甘酸っぱい恋愛映画。
まあ、僕はこれを観ながら、「まあ、美男美女は羨ましいわな」というような冷めた気分にしかなれなかったわけですが。
恋愛なんて、確固たるキッカケがないのがほとんどなのかもしれないけれど、この作品に関しては「なんでお互いに好きになったのかがよくわからない」のですよね本当に。「カッコいいから」「優しいから」「可愛いから」っていうのは、理由としては抽象的すぎる。
僕にとっての沢尻エリカって、「優等生すぎてキライなんだけどつい目で追ってしまうクラスのアイドル」みたいな感じなので、なんのかんの言って最後まで観てしまったのですが。
あと、夏木マリの「グランマ」は、あまりにキャラが立ちすぎていて、この「比較的等身大の恋愛映画」のなかでは、あからさまに浮きまくっておりました。最近観た『ただ、君を愛してる』(宮崎あおい)、『虹の女神』(上野樹里)の主人公の女性たちに比べると、この映画の主人公・乃里子(沢尻エリカ)って、「いかにも現実にいそうな女の子」なんですよ。そういう意味ではリアルなんだけど、周囲に過剰な人が多すぎるのと乃里子の心の揺れがあまりにも説明不足なので、観客として感情移入できる場面が本当に無いのです。「恋ってこんな感じだよね」って、思う女性がたくさんいるのだとしたら、ちょっと怖い。
「男は優しさだけじゃダメで、タフじゃなければダメなんだ、シュガー&スパイスだよ」というよりは、「ガソリンスタンドで頑張って働いている年下の優しい男の子よりも金持ちで傲慢な医大生だよね!マネー&セックスだよ」という話になっているような……
沢尻さんは綺麗だし、柳楽くんも頑張っている、それはわかるのです。でも、なんか僕はこういう「破綻するところまでお膳立てされた恋愛映画」ってダメなんですよね。そもそも、恋愛映画そのものが苦手ではあるんだけどさ。

しかし、山田詠美さんの原作って、こんな薄っぺらい話であんなに高評価だったの?逆に原作を読んでみたくなりました。

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