琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

「日記才人」閉鎖と「個人サイト大航海時代」の終焉

<参考リンク>
日記才人

「日記才人」閉鎖関連(『見たこと聞いたこと('07/6/21)』)

参考リンク「日記才人」の裏歴史

 僕が「日記才人」にはじめて登録したのは、今から5年ほど前になります。当時はランキング上位のサイトたちを眺めながら、「僕もいつかこのランキング入りできたらなあ……」なんて考えていたものです。まあ、僕の場合は「日記猿人」の時代は全然知らないので、最古参の方々に比べれば、はるかにキャリアも思い入れも少ないのかもしれませんが。
 当時の個人サイトにはトラックバックもコメント機能もキーワードリンクもなくて、「自分が書いた文章を他人に読んでもらう」というのは、本当に大変なことだったのです。いくら流行のキーワードをちりばめてみても、個人サイトレベルで検索で上位に入るのは難しいことでしたしね。
そんなことを言っても今のブログ時代の人たちには理解しがたいことでしょうが、今の自分のブログの訪問者からトラックバックキーワードリンク、検索サイト経由を引いたくらいしか人が来てくれない状態を想像していただいたほうがわかりやすいかもしれません。
 7月で「日記才人」の歴史には幕が下ろされるわけですが、僕自身も「日記才人」経由で見つけて今でも読んでいるサイトがたくさんありますし、今でも毎日更新報告はしているので寂しい気持ちはあるのです。またひとつ、個人サイト・ブログの「新規参入」のルートが少なくなってしまったなあ、と。僕が今までサイトを続けてこられたのは、「日記才人」から来てくださった方々の力が大きいと思います。
 長い間「日記書き」たちにとって「日記才人」は、「テキスト庵」と並ぶ「外界と接することができる数少ない場所」でした。日記を書き始めて、無反応に耐え、ようやくコメントをくれる常連さんもできた。でも、毎回同じ人との同じようなコメントのやりとりに飽きてしまって、「もうちょっと広い世界に出たい」という欲求が増してきた。そんな日記書きたちにとって、「日記才人」は、長い間、大航海時代の海のような存在だったのです。ある者は全く無反応であることに絶望し、ある者はセクハラコメントに晒されて失望し、そしてある者は「日記じゃんくしょん」で叩かれて炎上しました。しかしながら、嵐に耐えて「日記才人」で生き延び、新大陸を発見した日記書きたちもたくさんいます。たぶん、僕もそのひとりなのでしょう。
 僕は、「日記才人」の終焉については、これも時代の流れだしな、と比較的冷静に受け止めています。他の古くからの参加者たちも「なんで閉鎖するんだ!」という人はほとんどいないようです。「今までありがとうございました、おつかれさまでした」という反応が多いと感じています。
 その一方で、「日記才人」の衰退は、結局のところ「古参・ランキング上位のサイトが固定化してしまって、新しい人が入ってこなくなってしまった」というのもひとつの原因ではないかなあ、とも思うのです。しかしながら、「日記才人」の代替となるような「日記やブログを始めた人」にとっての新しい「海」は、結局、ネット上には現れなかった。だからこそ、老朽化し、「もう古い」といわれつつも、「日記才人」はなかなか「終われなかった」のかもしれません。

 この「ブログ時代」までは、「面白い個人サイトのURL」がたくさん載せられた「インターネット雑誌」がたくさん発行されていました。でも、今はもう、そんなふうに個人サイトが紹介されることは滅多にありません。それだけ「当たり前のメディア」になった、あるいは「ネット上のことはネット上で紹介されるようになった」だけのことなのかな、とも思うのですが、「日記才人」の閉鎖というのは、「新しい個人サイト・ブログが右肩上がりに発展していった時代」すなわち「個人サイト・ブログの『大航海時代』の終わり」を象徴する出来事のひとつのような気がしているのです。
 別に世界が終わってしまうわけではないけれど、僕たちはもう、「世界の果て」を見つけてしまったのかもしれません。

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