琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

古畑任三郎FINAL 第2夜「フェアな殺人者」

http://wwwz.fujitv.co.jp/furuhata/story_2ya.html

今日のはちょっと辛かった…いや、見込み捜査にもほどがあるし…
もちろん、凡百のドラマよりは遥かに…と言いたいけど…
イチローが出演してくれたことで、かえって「古畑」としてはやりにくい面も大きかったのだろうし、そういう意味では「規定演技としてはいい仕事」なのかもしれないけど。

以下ネタバレ感想。

途中の古畑(たぶん=三谷)の「もともとはハチローという設定でした」にはちょっと笑ったけど、「イチローは人を殺したりしませんから…」とか念を押していたのには激しく萎えた。そんなこと言われなくてもわかってるってば。オープニングで断りを入れるのはしょうがないのかもしれないけど、肝心の謎解きの前にそんなこと言われても、なんだかねえ。そりゃあ、観ているほうだって、そこまであのイチローという劇中の人物に感情移入できなかったんだけどさ。あんなヤツいない!としか言いようがないし、イチローの権力なら、あんなカス野郎をいちいち殺さなくたってどうにだってできるだろうし、「切実な理由があっての殺人」なのか「快楽殺人」なのかもはっきりしないし。だいたい、あんなふうにマッチを置いていくやつなんていないだろうよ、と。まあ、この回の脚本というのは、あくまでもイチローを「フェアで視聴者に悪印象を抱かせない殺人犯」として描かなければならないという大きな制約があって、三谷幸喜は最後まで、「古畑任三郎のパロディ」を書いているような気分だったのではないかなあ。「イチローは人殺しなんてしません」と書きながら、三谷さんは自嘲していたのではなかろうか。この「ファイナル」3部作のなかで、この回だけ2時間以内に収まっちゃってるし。
だいたい、疑う根拠が「濡れているから加湿器のある部屋」とか「肩がいいからあそこにボールを隠せる」とか、あんなところに狙ってボールを投げられるわけないだろ…という感じです。そもそも、殺す気ならサインとかしねえだろ。
古畑もあれだけフェアな勝負にこだわっているようで、最後は兄を逮捕して動揺させるという、卑怯&頭使ってないにもほどがあるし。そんなら最初からそうしろよ、と。
ただ、三谷さんはたぶん、このドラマに関しては、トリックばらしよりも、古畑が解決編の前に言っていた「どこで気付いたのでしょう?」というのをキーポイントにしていたのだと思われ、そういう意味では、いちばん最初の「正門から堂々と」というシーンが伏線になっていたというわけで、それについては、なるほど!と思いました。このへんは上手いなあ。でも、あの2つのカプセルって、何か仕掛けがあるのかと思ったのだけど、あれって本当にランダムの勝負でイチローが勝ったということなのだろうか、だとしたらあまりにもギャンブラーすぎないか。ありえん。
イチローさんの演技は、いろんな噂がありましたが、僕はとくに違和感はなかったです。やっぱりイチロー筋肉ついているんだなあ、というくらいのもので。被害者を殺害するシーンの表情はなかなかすごくて、「イチローはこんなふうに人を殺すんだなあ(だから、殺さないってば!)」とかゾクっとしてしまったよ。そして、イチローは、「兄貴」よりも「兄さん」くらいが似合うような気もしたのだがいかがなものでしょうね。
正直、昨日と今日の「ファイナル」に関して言えば、僕は「(劇中の)古畑老いたな…」と思ったのですよ。なんだか犯人にやられっぱなしというか、スマートさが無くなってる。ひょっとしたら、こんなふうに視聴者にイメージさせるのも三谷さんの「戦略」なのかもしれないけど、それは明日の本当の「ファイナル」で明らかになるのだろうか…でも、古畑が死んだりはしてほしくないよなあ、もう続編はないとしても…

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